「大学は、婚活のために入りました」。憧れの駐妻ライフを手に入れた、27歳女の誤算

カッコイイ男子は、みんな私に夢中だった


「私。自分で言うのはなんですけど、幼い頃から『可愛いね』『お人形さんみたいね』と周囲にちやほやされながら育ったんです」

子供ながらに、そのルックスのおかげで得をしていることを自覚していたという。

「中学生の頃から、学年一のカッコいい先輩や他校の男子から、しょっちゅう告白されたりしてました。私も、モテることが嬉しくて...。それで、もっとモテたいなと思って、勉強はそっちのけでお洒落やデートばっかりしていました(笑)」

恋愛にしか興味がなく、全くと言っていいほど勉強をしてこなかった麻里は、地元の私立高校に何とか滑り込みで入学した。そこでも、いわゆるクラスのマドンナ的な立ち位置をキープし続けた。

「高校2年の夏、初めて本気で好きになりました。バスケ部のキャプテンで皆からの人気者の智弘くん。高身長のジャニーズ系イケメンで、頭も良くて。とにかく本当に本当に格好良かったんです!!それまでにも、あの人カッコイイな~って思う人はいましたけど。あそこまで人のことを好きになるのは、初めてでした」

当時のことを思い出したのだろうか、赤面しながら智弘くんについて語った。

「でもね…」

麻里は自分を落ち着かせるように一呼吸おいてから、先を続けた。

「でもね、フラれたんです。私」

人生で初めて自分から告白した相手にフラれた衝撃はすごかったという。

「しかもね、私をフったすぐ後に、別の子と付き合い始めたんです。それも全然可愛くない、ガリ勉系の地味目な子と。信じられます!?それを知ったときは本当意味わかんなかったし、発狂するかと思いました」

当時の怒りを思い出したのか、麻里の言葉には今日一番の熱がこもった。

そして麻里は、彼に「何故彼女と付き合ったのか?」と理由を問いただすと、想像を絶する答えが返ってきたという。

「”彼女は賢いから、しゃべっていて楽しいんだよ。麻里ちゃんは可愛いけど、それだけでしょ?”って。もうショック過ぎて…。その時の光景は今でも鮮明に覚えています。今まで恋愛市場において、“可愛い”が最強の価値だと思っていたのに。智弘くんのこの一言は人生を変えるきっかけになりました」

可愛いだけでは、見た目もカッコよくて、将来有望な頭のいい理想の男性を捕まえて結婚をするという小さい頃からの夢を実現することは難しいことを悟った。目標達成のためには、それなりに自分も頭がよくないとダメだという結論に至る。

そこで一念発起し、これまで考えたこともなかった名門大学入学を目標に受験勉強を開始した。

「智弘くんより絶対にイイ男を捕まえてやるって。この事件が起こったタイミングが高2の夏という時期だったことは、不幸中の幸いだったなと思っています。

今まで全く勉強してこなかったのに、もっとイイ男を捕まえたいという不純な動機から必死に勉強を始めました。塾なんて行ったことなかったのに、通い始めたりして。でも一旦勉強を始めると、成果が目に見えて出てくることに楽しくなってきたんです」

そして、見事ビリギャルなみの下剋上を果たし、上智大学の英文科に現役合格という当時の彼女にしたら信じられない結果を手に入れることができた。

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