東京男子図鑑 Vol.9

“億男”になるはずがまさかの無職に…。慶應卒のエリートが、40歳でどん底に転落した理由

慶應義塾大学入学とともに上京した翔太は、晴れて慶應ボーイとなるも庶民とセレブの壁に撃沈

さらには付き合い始めた1歳年上の女子大生・花純がお金持ちのおじさんに群がるいわゆるビッチだったことが判明。その悔しさをバネにした翔太は、大手総合商社の内定を勝ち取る

苦汁を飲んでいた若手を経て28歳でついにモテ期が到来するも、初めて結婚を意識した女性・みな実にあっさりプロポーズを断られ、さらにはシンガポール駐在から戻ると、同期・コジマが先に出世していた

焦る翔太は一旗揚げてみせると意気込み、大学時代の同級生・一馬がCEOを務めるベンチャーに転職

“総合商社を捨て、ベンチャーで奮闘するCOO”としてメディアでも取り上げられるようになり、大切な彼女・瑠璃子という存在もできた。

いよいよ、上場目前。浮かれる翔太を待っていた現実とは。

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40歳。夢見た景色が泡となって消える瞬間


夢見ていたはずの景色が、もうあと一歩で手に入るというまさにその目前で、突如泡のように消えてしまう。

そんな時、人って無になるんですね。空っぽ。

昨年、アンドエバーを退社したときの僕もそう。まさに空っぽでした。

…上場だ、ストックオプションだと騒いでいたのに一体どうしたのかと不思議に思われていることでしょう。

僕だって、まさかこんなことになるとは思ってもいなかった。

きっかけは…一言で言えば金です。上場が現実味を帯びたタイミングで、一馬にさりげなく聞いてみたんです。

同じスタートアップ業界の経営幹部仲間は「ストックオプションのないスタートアップなんてドロップキックだよ(笑)」なんて言っていましたし、経営幹部であればもらっているのが普通だと聞いていたので。

しかし一馬の返答は想像と違っていました。

「ストックオプションをどう付与するかを決めるのはCEOの価値観それぞれ。一般論で語られるものではないから」

僕の目を見ることなく、彼は早口にそう言ったのです。

冷ややかなその対応は「5年以内に上場だ!」と夜な夜な熱く語り合った仲間に対する言葉だとは、とても思えませんでした。

これが、ともに戦ってきた戦友にとる態度なのでしょうか…?

僕は一馬に、一気に不信感を抱くようになりました。

もちろん僕だって、ストックオプションのためだけに頑張っていたわけではありません。

大企業の名刺を捨てアンドエバーに転職し、泥水をすすりながらもやればやっただけ売上が伸びる達成感に喜びを感じていました。僕はアンドエバーに賭けていた。アンドエバーの上場は、僕自身の夢でもあったのです。それなのに…。

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