Love Letters Vol.8

夫の女遊びに、気付かぬふりをした妻。11年後に彼女を待ち受けていた、彼の計画とは

あなたは、誰かにラブレターを送ったことがありますか?

文字に想いをしたためて、愛する人に贈る言葉。

手紙、メールやLINE..方法はいろいろあるけれど、誰かを愛おしいと思う気持ちはいつだって変わらない。

側にいる大好きな人、想いを伝え損ねてしまったあの人に向けて…。

これは、読むと恋がしたくなる切なくて甘い「ラブレター」にまつわる男女のオムニバスストーリー。

今週の主人公は、前回の主人公・野村賢史の妻、優花里。あれから11年後のストーリー。


「なあ、優花里。梨々香も成人したことだし、二人でヨーロッパにでも行かないか」

先日撮影した娘の成人式の前撮り写真を眺めていた優花里は、夫・賢史の言葉に耳を疑った。

「へっ?」

急に何を言い出したのだろう。優花里は、首をかしげる。

これまでの賢史は、平日も夜遅くまで働き、休日も時間さえあれば家で仕事する超仕事人間。

若い女の子と遊んでいた時期もあるから100%仕事だけをしているわけではなく、適度な休息を入れているようだが、出世のスピードからも、人並み以上に働いていることは事実だ。

そのため家族旅行は2泊3日が限界。旅行先、移動中、どこでも構わずパソコンを開こうとする賢史に怒ったことも一度や二度ではない。だから、ヨーロッパなんて夢のまた夢だと思っていた。

「仕事も一段落しているし、長期で休みが取れそうなんだ。パソコンは置いて行くから安心してよ」

そう笑いながら彼は、机の上に旅行会社からもらってきたパンフレットを並べて、パラパラとめくり始めた。

「ローマとかどうかな。ヴェネツィアも良いな…」

こうして賢史と優花里は、ローマとフィレンツェ、パリへ初の二人旅行に出かけることになった。

意外だったのは、娘・梨々香の反応だ。一緒に行きたいと騒ぐかと思っていたが、拍子抜けするほどあっさりと、「パパとママ二人で楽しんで!」と、快く送り出してくれたのだ。

【Love Letters】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo