前妻が寝ていたベッドで眠る女。20歳年上のバツイチ男と結婚した、セレブ妻の後悔

前妻が寝ていたベッドに寝る羽目に


「そうですね。友人からは散々羨ましがられました。私は女子大を卒業したあと、外資系のハイブランドで販売員をしていたのですが、周りも“いかにお金持ちを捕まえるか”みたいな子が多かったから、さすが茜!なんて崇拝されたりして」

秀俊は30代の時に一度結婚しているが、子どもはいない。

「岡山の田舎で暮らす私の両親は、最初は自分たちとそう歳の変わらない彼に困惑していましたが、ヒデちゃんに十分な経済力があることを知ってからは、現金なもので、むしろ歓迎の態度に変わりました。

親としては、娘が苦労なく幸せになってくれるなら、それが一番ですしね。実際、結婚当初、私はとても幸せでした。バカにされるかもしれないけど、私って世界で一番幸せなんじゃないかと思ったくらいです」

ところが、そんな茜の心が、結婚生活の経過とともに少しずつ曇っていくこととなった。発端となったのは、茜が彼と暮らす家について話をした時だったとのこと。

「実は、今住んでいる成城の自宅、ヒデちゃんが前妻と結婚している時に建てた家なんです。そこで一緒に暮らすなんて、当然最初から嫌でした。結婚前に、売り払って新しい家を建てて欲しいと伝えたら“すぐには無理だけど、そのうち必ず”と言ってくれて。それで私としてはかなり譲歩して、一旦はそのまま暮らし始めたわけです」

夫が前妻と離婚してから10年近くが経っているとはいえ、注文住宅で建てられた家は、あちこちに施主のこだわりが感じられるたそう。

「ヒデちゃんは“全部俺の趣味だ”って言ってますが、気分の良いものではないですよね」

何より気持ちが悪かったのは、夫が前妻とも寝ていたであろうキングサイズのベッドで、毎晩眠らなければならないことだった。

「もちろん寝具類は総取替えしました。でもベッド本体とマットレスはいくら訴えても買い換えてもらえなくて。私にはよくわかりませんが、500万近くする高級品らしく、これ以上に良いものはないから、とかなんとか言われて」

結局、夫は一歩も譲らず、寝室のベッドは今なおそのままなのだという。

さらには、結婚前には「いつかは必ず」と言っていたはずの家の建て替えについても、もはやそんな話はなかったことのようにされているらしい。

事情を知る友人たちから「早く建て替えてもらいなよ」「せっかくお金のある年上と結婚したのに」などと無遠慮な発言をされるたび、茜はフラストレーションを溜め込んでいった。

「ヒデちゃんの考えも、わからなくはないんです。素晴らしい家なんですよ。…前妻と一緒に建てた家だということ以外は。成城の高級住宅地にあって、キッチンは大理石だし、総タイルのバスルーム、屋上にはルーフトップテラスもあって。でもどうしても引っかかるのは、前妻のためには家を建てたのに、私のためには建て替えてくれないんだってこと。結婚前と、約束が違うって思いますよね」

徐々に不満を募らせる茜は、家の件以外でも夫の言動にイライラすることが増えていった。

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