御三家ウォーズ Vol.3

ママ友から「ろくに勉強したことないでしょ?」と言われた女。高学歴の専業主婦が放った痛烈な一言

御三家。

それは、首都圏中学受験界に燦然と輝く、究極の伝統エリート校を指す。

男子は開成・麻布・武蔵。女子は桜蔭・女子学院・雙葉。

5万人ともいわれる首都圏中学受験生の頂だ。

挑戦者を待ち受けるのは、「親の力が9割」とも言われるデス・ゲーム。

子どもの頭脳、父の経済力、そして母の究極の献身が求められるこの戦場に、決して安易に踏み込むなかれ。

運命の2月1日、「真の勝者」は誰だー。



深田 彩は、夫・真一の事業が思わぬ成功を収め、小学5年生の息子の翔と3人で、南麻布で暮らしている。

ある日、翔が、男子御三家の一角・麻布中学校の文化祭に圧倒され、入りたいと言いだした。

彩は、叔母で元大手有名塾の講師・岬 祐希に相談するが、祐希は苛烈を極める中学御三家受験は彩には無理だと言い放つ。

しかし翌日、彩は、有名進学塾を訪れたー。


「じゃあ、入塾試験に合格すれば、5年生の今からでも入れるんですか?」

彩は、塾の受付カウンターで弾んだ声を出した。

まだ入塾を決めたわけでもないのに、思わず嬉しくなってしまったのだ。

「はい。近年は低学年から通塾される方が多く、当校舎の他学年は締め切っていますが、5年生でしたら今回は入塾可能です」

叔母であり、元塾講師の祐希にダメ出しされ、意気消沈しつつも、麻布中学に入る方法を知りたいという翔のため、まず全力で情報収集しようとやってきた有名大手塾。

祐希の話から、5年生では門前払いかと思って来たが、可能性があると聞いて彩の胸はどきどきしてきた。

しかし聞けば次の入塾試験はなんと今週末。申し込みの締め切りは明日だという。

今夜にでも翔と相談しようと、お礼を言って出ようとした時、奥の教室から突然たくさんの母親の大群が出てきた。

港区らしく身綺麗な母親が多かったが、塾というTPOに合わせているのだろう、シックな出で立ちが多い。

しかしその中でミントグリーンのワンピースに華奢なヒール、こなれたヘアアレンジの女が声をかけてきた。

「彩?!偶然、こんなところで…!」

それが昔読者モデル仲間だった瑠奈だと気づき、彩は思わず駆け寄る。

「瑠奈?わああ、久しぶり!!」

二人は思わぬ再会に興奮し抱き合うと、慌てて声を潜めて外にでた。

「彩のお子さんももしかしてここに通塾してるの?今の5年生の保護者会に出てたとか?」

「ううん、そうじゃないんだけど、ちょっとこの塾に興味があるっていうか…。うちも5年生で、実は中学受験の情報収集してて。何も知らないから恥ずかしいんだけど」

今から入りたいなんて言っていいものか、思わず声が小さくなる彩に、瑠奈は昔と同じようにぽってりしたグラマラスな唇で、にっこりと笑いかけた。

「そっか、じゃあ今から、すっごいママ友と情報交換するんだけど、彩も来る?久しぶりで彩と話したいし…それに多分ね、このランチ、もし受験するならめったにないチャンスだよ」

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