「あんた、大変やな!」東京で生まれ育った箱入り娘が、大阪生活にハマった理由とは

全てのものが揃っている街は、東京だけ。そう思っていたけれど…


ご主人の“永久単身赴任”に強く反対した人物。それは、奈緒子さんの実母だ。

「普段は物静かな母が、珍しく強い口調で皆を黙らせてくれました。『関西にもいい学校はたくさんある。家族は一緒にいるべき!』って。母は家族の中で唯一慶應内部生ではなく、宝塚市にある小林聖心出身なので…自分のことをバカにされてるって感じたのかもしれませんね(笑)」

最終的に親族の理解を得られた奈緒子さんは、家族3人で大阪へ移住。現在ではお嬢さんがもう1人増え、家族4人で梅田からほど近い中之島のタワーマンションで暮らしている。

だが、相当な覚悟をして挑んだ大阪生活は、始まってみれば意外な感想なのだそう。

「私が住んでいる場所が、梅田からすぐということもあるかもしれないんですけど…。実は、全くと言っていいほど違和感が無いんですよ。

東京でよく買い物に行っていたお店はグランフロントやルクア、デパートの中にもあるし、東京で開催される話題の美術展やコンサートなんかも、ほとんどが大阪でも開催されます。

東京にあるものはだいたい大阪にもある。“キタ”は特に『いかにも大阪!』みたいなコテコテな雰囲気も無い都会なので、環境的には新宿や渋谷にいるのとあんまり変わらないように感じていますね」

東京生活で築いた人間関係もキープできる距離だった


大阪の街は、大きく“キタ”と“ミナミ”に分けられる。

“ミナミ”が道頓堀や通天閣といった大阪らしい繁華街なのに対し、“キタ”は梅田や北新地などの大阪駅周辺を中心とするビジネスの拠点。

インターコンチネンタルやリッツカールトンといった高級ホテルも点在する、東京都心に勝るとも劣らない洗練されたエリアなのだとか。

「それに、東京にいた頃の人間関係も、拍子抜けしちゃうくらいキープ出来てるんです。お仕事をしている友人は出張で大阪に来ることも多いですし、他にも、京都旅行のついでとか、家族旅行でユニバーサルスタジオに遊びに来たりとか…。なんだかんだで、月に1~2回は東京の誰かに会えてますね。大阪行きを反対していた父も、大阪に仕事を作っては頻繁に我が家に遊びに来るんですよ」

東京にいた頃とほとんど変わらぬ生活を送れているという奈緒子さん。だが、あきらかに東京との違いを感じる面もあるという。

「外食事情はかなり違うと思います。東京って、美味しいものを食べようと思ったらお値段もそこそこしますけど…。大阪は安いのに美味しいお店が多いんです。

例えば、美味しいふぐを食べようと思ったら、東京なら2万円くらいはしますよね。でも、大阪なら5千円出せばコースが食べられるんですよ。すごくないですか?」

そういうと奈緒子さんは、何かを閃いたようにコーヒーカップを置いて言った。

「そうだ!よかったら今から、大阪っぽい安くて美味しいもの食べにいきましょうよ」

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