夫の反乱 Vol.8

「献身的な女を演じてみせる…」。夫を放置してきた妻が、“良い妻”に豹変した真の狙いとは

—女は、愛されて結婚するほうが幸せ。

その言葉を信じて、愛することよりも愛されることに価値を見出し、結婚を決める女性は数多くいるだろう。

めぐみも、夫からの熱烈なアプローチを受けて結婚を決めた女のひとりだ。

だけど、男女の愛に「絶対」なんて存在しないのだ。

好き放題やってきた美人妻・めぐみ(30)は、夫の様子がおかしいことに気づく。夫を大切にすることを完全に忘れてしまった妻の行く末は…?

◆これまでのあらすじ

義母に謝罪に行ったものの、さらに火に油を注いでしまっためぐみ。夫・弘樹がついに出張から帰って来るが…?


20時半。めぐみは、リビングで夫・弘樹の帰りを今か今かと待っていた。

飛行機は19時頃に羽田に到着したようだから、そろそろだろう。

今日ばかりは、炊き込みご飯に味噌汁、あじの干物、青菜の煮浸しにがんもどきの煮物など、食事の用意もちゃんとしてみた。

本気で心を入れ替えたというわけではない。とにかく、弘樹と話がしたかったからだ。

“おかえり!久しぶりに和食食べたいかなと思って頑張って作ったよ。待ってるね”

こんな殊勝なことをするなんて、新婚以来…いや初めてかもしれない。もし世界白々さランキングなどがあれば、圧倒的1位に輝けるほどの白々さだと思う。

だが、他に良い策が思いつかなかった。

−我ながら、キャラ変にも程があるわ。献身的な女アピールもいいところね。

めぐみは、自分自身に、冷静なツッコミを入れる。

−ああ、でも、そんなこと考えてる場合じゃない。

頭をブンブンと振り回して、良い妻モードに切り替える。

弘樹の不在中の気づき、自分なりの反省など、彼に伝えたいことはそれなりにあるのだ。感情的にならないようにしなくては。

ふぅっと大きく深呼吸をしていると、玄関の鍵がガチャッと開いた。

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