マルサンの男 Vol.7

「彼、物足りなかったの…」たった2年で離婚を決めた夫婦。女が、他の男に走った本当の理由とは

「私も、数也君は完璧な男性だって思ってた」

数也をテーマにしたフリートークは、ほのかのターンになる。

「やさしくて、思いやりがあって、いつも私を楽しませてくれた」

南美は言葉を挟まず、ただただ相槌を打っていた。

すると、ほのかはいたずらっぽく笑って、こう言った。

「でも、それなのに『どうして離婚したんですか』って思うでしょ?」

「はい。やっぱりそれは気になります」

「もちろん教える。それを伝えるために会いに来たんだから」


20代のころモデルとして活動していたほのかは、数也との結婚後、仕事をセーブするようになったという。

主婦業を楽しんでいたこともその理由だが、同時にかねてよりの夢だった輸入雑貨の会社の起業を考え始めたからだ。

数也に背中を押されたこともあり、ほのかは起業の準備に入り、商品となる雑貨の仕入れのため海外出張が増えていった。

もともと仕事が忙しかった数也とは、こうしてすれ違いが始まった。


「数也君はホントに完璧な人。だから私も安心しきっていて…いつの間にか、彼の存在そのものが空気のようになってた」

海外出張だけでなく、夜は会食が増えて、ほのかは家を空けることが多くなった。けれど数也は何も言わなかった。

「数也君にとっては、そうすることが優しさだったと思う。......


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