Love Letters Vol.2

残業を装い、女と密会していた夫。彼を一生後悔させた、妻が下した想定外の決断とは

そこから僕は必死に遥を探した。

僕が知っている限りの彼女の友達に連絡をとり、病院名を聞き出せるまで仕事の帰りに毎晩千葉にある遥の両親の家へと足を運んだ。

土下座も何回もし、彼らが渋々病院名を教えてくれたのは、それから1ヶ月経った頃だった。

けれども、僕は遥には会えずじまいだった。

「絶対に悠人さんには、こんな弱ってしまった姿を見られたくないって言っていて・・・」

病室の前で、義母が申し訳なさそうに謝る。扉を一枚隔てたその場所に遥はいるはずなのに、最後まで遥は僕との面談を拒んだ。

そんなことを繰り返しているうちに、遥は34歳の若さでこの世を去ってしまったのだ。

“最後にもう一度だけ、抱きしめたい“。

そんな願いも、叶わぬままだった。




「なぁ遥。遥がこの街に来ていたら、何て言ったかな」

揺れる車内からは、様々な人たちが街を歩いているのが見える。

ドライバーのアブラハムが、ミラー越しに不思議そうな顔をしてこちらを見つめている。

遥から貰った最後の手紙は、今でも大事にしまい込んである。イスラ......


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