「もう離婚したくない…」2度目の結婚時、離婚防止のため“700万”払った女の野望

「離婚した時、自分なりに振り返りました。諸々反省点はありましたけど…。その中の一つに、結婚式もありました。“もしも結婚式をしていたら”お互いもう少し夫婦になった自覚がわいて、離婚しなかったのかなって。もちろん、そんな単純な話ではないこともわかっていますけど…」

また、離婚した後改めて友人の結婚式に参列すると、結婚式の良さを改めて認識できたことも要因だった。

だから、再婚するときは、絶対に結婚式をしようと決意したという。

2回目の結婚は、33歳の時だった。相手は、もともと友達だった大学時代の同級生。お互い離婚経験者で、離婚してからお互いの悩みを打ち明けるようになり急速に仲が発展したそう。

「すごくトキメキがあった訳ではないですけど、心から信頼できるという言葉がぴったりでしたね。見た目もすごく格好良いわけでもないし、一度目の結婚だったら見逃していた相手かもしれないです」

再婚だと結婚式を挙げない人も多いが、明日香さんの強い希望で結婚式を挙げることになったとのこと。

「“やって良かった”の一言に尽きますね。あれだけたくさんの人に祝福されると嬉しいですし。あと、噂には聞いていましたけど、やっぱり結婚式の準備って大変ですよね」

明日香さんは嬉しそうに、当時を思い出して話す。

「会場決定から、招待客を決めたり、演出DVDを作ったり…。一つ一つお互いの価値観をすり合わせながら決断をしなくてはならなくて」

結婚式をしたから夫婦になるのではなく、結婚式の準備の過程が結婚の準備作業だと実感した。

そんな、“2回目の結婚だからこそ、結婚式を”という信念のもと結婚式を挙げた明日香さん。会場選びから式の内容までこだわりポイントを教えてもらった。

「30歳過ぎるとゲストも結婚式に呼ばれ慣れて目が肥えてきていますから、ゲストが一番楽しみにしている食事をケチったなと思われるのも嫌だったので、食事はグレードアップしましたね(笑)」

どうせ挙げるなら後悔しないようゴージャスに、と結局700万円ほどかけた。結婚生活がうまくいくなら、その値段は決して高くはないと思っているとのこと。

実際の再婚生活は、結婚式をしなかった初婚の時と異なるか尋ねた。

「やっぱり、違いますね。喧嘩しても、大勢の人に祝福してもらった結婚式のことを思い出すと、離婚を踏み留まる理由になりますね。もちろんそれだけではありませんが…」

明日香さんの話では、離婚するかしないかは紙一重のところがあり、そんな小さな境界線を越えないように、結婚式の記憶は防波堤の一つになるという。

「時々二人で結婚式のDVDをみたり、ホテルのレストランで食事したりしてあの時の気持ちを思い出すように心掛けています。結婚式が“記憶のお守り”になっています。夫も同じことを言っていますから。男性側に覚悟を持たせるって言う意味でも結婚式は、大切だと思います」

そう語る明日香さんはとても幸せそうだった。

「結婚式」に対する考え方は、カップルの数だけあるだろう。明日香さんのように離婚を経験したからこそ、結婚式にお金を使いたいという考え方も一つの価値観の表れだろう。人は経験から学び、経験からお金の使い道を決断する。


この連載では、「あるモノ」にお金をつかったことで、人生が変わった女たちを紹介してきた。

「お金をつかう」という行為は日常のさりげない行為だが、各々がそれぞれの運命に導かれるように“決断”し、お金を使っていた。それは、人の価値観と経験を大きく反映する決断だと改めて気付かされた。

Fin.

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