立場逆転 Vol.7

「あえて人妻を狙ってる」。人妻好きを公言する男の、身勝手な本音

やりがいのある仕事でキャリアを重ね、華やかな独身ライフを満喫する女。

早々に結婚し専業主婦となったものの、ひたすら子どもの世話に追われている女。

女として本当に幸せなのは、どっちだと思う−?

独身キャリア・工藤千明と、専業主婦・沢田美緒。対照的な選択をした二人が、同窓会で再会

洗練された美女へと変貌した千明は複数の男性から言い寄られているが、最も気になる男・宇野から「結婚する気はない」と宣言され落ち込む。

一方、かつて学校一のモテ女だった美緒は、商社マンの夫との間に一人息子を設け幸せに暮らしていた。しかしその風貌にかつての輝きはなく、夫もつれない

千明に妙な対抗心を抱く美緒は、同窓会で再会した立場逆転男・村尾からデートに誘われる。浮かれる美緒だが、実は村尾には裏があった?


千明:私もいつかは“あっち側”に行きたい


“千明ちゃん、今週金曜空いてる?”
“また食事、一緒にどうかな?”

地下鉄の扉にもたれ、私は今しがた届いたLINEにため息を吐いた。

差出人は、宇野だ。

初デートで私に「結婚する気はないんだよね」と宣言してきた男。

こちらとしては相当なダメージを食らったのだが…こんな風に誘ってくるところを見ると、彼の方はむしろ好意を持ってくれているらしい。

私が「ああ…まあ、そうですよね」なんて物分かりの良い女を気取ったから真に受けているのだろうか。

−会い続ける意味、ないよなぁ。

延々と暗闇が続く窓の外を見つめながら、私は美緒を思い出す。

先日、彼女の自宅に招かれた際。私は改めて現実を認識したのだ。

…別に、美緒が羨ましいわけじゃない。むしろ彼女の痛々しい発言には、思わず軽蔑の眼差しを送ってしまった。

ただ、この8年間の間に、彼女は結婚し、子どもを産み、マイホームも手に入れている。しかし私は…何一つ代り映えのしない日々。

すぐじゃなくていい。でもいつかは私も“あっち側”に行きたい。

私は自分を戒めるように目を閉じると、いったん宇野のLINEを既読無視した。

【立場逆転】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo