200億の女 Vol.12

夫の過去は全て嘘だった…?結婚5年目に、夫の裏切りを知らされた妻の絶望

騙されたのは女か、それとも男か?
「恋」に落ちたのか、それとも「罠」にはまったのか?

資産200億の“恋を知らない資産家の令嬢”と、それまでに10億を奪いながらも“一度も訴えられたことがない、詐欺師の男”。

そんな二人が出会い、動き出した運命の歯車。

200億を賭けて、男と女の欲望がむき出しになるマネーゲームはやがて、日本有数の大企業を揺るがす、大スキャンダルへと発展していく。

男が最初の駒に選んだのは、令嬢・神崎智(かんざき・とも)の部下だった。智は追い詰められたように見えたが簡単には騙されず…平穏な日々が戻るかに見えた。しかし、智の夫の秘密が詐欺師に再びチャンスを与えてしまった。

そして、仕事の大舞台でのトラブルを詐欺師に救われた智は、お礼を兼ねて、男をある場所に誘い、2人ははじめて楽しく笑い合う。そこへ、夫からの着信が入り…


「トトちゃん、ごめん、大輝くんから着信してたけど…何で俺に?」

村松さんにそう言われて、私はバッグの中から携帯を取り出した。パーティーに入る前に、プライベート用の携帯をサイレントモードにしたことをすっかり忘れてしまっていた。

パーティが終わった時間から今までに着信が3件。1時間前に『心配なので一度連絡ください』というメッセージも入っている。

会場を出る前に、夫には『こちら終わりました。明日戻る前に連絡します』というメッセージを送信したが、その後の夫からの返信はチェックしていなかった。

そのあとに、父とのやりとりや小川さんとのことがあり…という事情もあったのだが、なんとなく夫との接触を避けてしまっている自分のことも分かっていた。

「すぐに連絡してあげた方がいいんじゃない?お嬢ちゃんに何かあったのかもでしょう」

会が始まる30分前までは、娘の愛香のことが気になって何度かやりとりをしていたし、もう今日は早めに眠らせるというメッセージをもらっていた。その後、何かあったり非常事態になれば、例えパーティー中でも父やスタッフに連絡をして欲しいと伝えていた。

だから、娘に何かあったわけではないとは分かっていたけれど、村松さんの心配そうな目が、すぐに連絡してこいと言っていて、逃げられそうにない。

今の複雑な…夫への私の気持ちや事情をここで話すわけにもいかず、私は小川さんに、席を外すことを詫びてから携帯を持ってBARを出た。

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