1/3のイノセンス ~友達の恋人~ Vol.8

「あなた、女として見られてないもの」。親友ポジションの女を嘲笑う、恋敵からの痛烈な一言

特別だと思っていたのは、私だけだったの−?

広告代理店でコピーライターをしている橋本杏(24歳)は、同期の沢口敦史(24歳)に淡い恋心を抱いている。

しかし学生時代からの親友・優香と敦史を引き合わせてしまったことから関係が一変。

付き合い始めた優香と敦史を前に、モヤモヤすることしかできない杏。

だが優香は敦史と付き合いながらも既婚者・入江との関係を清算しきれておらず、結局ホテルで再会。そしてそのことが敦史にバレる

一方、同期の健一とデートする杏。しかしその日の夜、敦史が家までやってきて、あろうことかキスされてしまった


敦史:最後に、会いたくなったのは…


−杏に会いたい。

それは、説明のできない衝動だった。

杏の家へと向かう直前。僕は裏切り発覚からおよそ1週間の冷却期間を経て、優香に「距離を置こう」と伝えていた。

「待って、私はちゃんと別れるつもりで…」
「彼がとにかく強引で…」

彼女は僕に隠れ、元彼とヨリを戻していた。それだけじゃない。僕とのデートの最中、不倫相手と逢瀬の約束までしていたくせに、彼女はどういうわけか必死で僕を繋ぎとめようとした。

大粒の涙まで流して弁明する優香の姿は、健気で儚く、心が痛む。

だが…彼女はその愛らしい外見や控えめな仕草と裏腹に、まさに不倫に溺れてしまうような大胆さを持ち合わせている。こんな風に、男に泣いて縋る勝手さもある。

そんな二面性も確かに、彼女の大きな魅力だ。

しかし実際、自分がこんなにもあっさり裏切られてしまうと…何もかもが嘘に思え、別の感情が湧いてくる。

嫌悪、後悔、虚無。

それらが順番に押し寄せ、灰色の靄を残して去っていく。

そして最後、空っぽになってしまった心にぽつりと残ったのが…“杏に会いたい”という気持ちだった。

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