夫の反乱 Vol.1

夫の反乱:「夫が、私の誘いを断るなんて…」。溺愛されていた美人妻が、結婚3年目で感じ取った異変

—女は、愛されて結婚するほうが幸せ。

その言葉を信じて、愛することよりも愛されることに価値を見出し、結婚を決める女性は数多くいるだろう。

めぐみも、夫からの熱烈なアプローチを受けて結婚を決めた女のひとりだ。

だけど、男女の愛に「絶対」なんて存在しないのだ。

“亭主元気で留守が良い”を豪語し、家庭は二の次、好き放題やってきた美人妻・めぐみ。ところがひょんなことから、夫の様子がおかしいことに気づく。

夫を大切にすることを完全に忘れてしまった妻の行く末は…?


“19時半に東京駅到着の予定。家、ご飯ある?”

18時。シューズクロークで靴選びをしていためぐみは、夫・弘樹からのLINEを見るなり小さな声をあげた。

「えっ、帰ってくるの…!?」

−っていうか、どこに出張行ってたんだっけ…。

今日はこれから、メガバンク時代の仲良し同期・千春と樹里と『モルソー』でディナーの予定。

化粧を終え、おろしたてのBCBG MAXAZRIAのワンピースに着替えて、香水もワンプッシュしたばかり。靴が決まり次第家を出る、そんなタイミングだった。

−はあ、最悪。今からご飯なんか作れるわけないでしょ!

めぐみは、弘樹の間の悪さに苛立ちながら、急いで返信を打つ。

“今晩は、研修時代の同期とディナーなの。なにか適当に食べてもらえる?”

すると、すぐに “分かった”とだけ返信があった。

明らかに機嫌を損ねているが、子どもじゃあるまいし、いちいち“ご飯ある?”なんて聞かないでほしい。コンビニで買うなり、Uber Eatsでも頼めばいいではないか。

私はあなたの家政婦じゃない。そんな文句の一つでも言ってやりたいところだが、今は夫の不機嫌にかまっている暇もない。LINEを閉じて、タクシーに飛び乗った。

この記事へのコメント

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No Name
こういう、何の自信があるのか知らないけど、旦那の愛情の上にあぐらをかく妻ってたびたび見かけるけどさ。
愛想つかされると、まず浮気疑うよね。
なんで、自分の態度が相手に影響を与えるって思えないのか、本当に不思議。
2019/09/03 05:3499+返信9件
No Name
私も以前、夫からの愛情に甘えて調子に乗りすぎて、夫が完全に機嫌を損ねてしまったことがありました。
しかも自分から文句を言ったりすることはなく、とにかく態度だけが変わっていって、そこから持ち直すまでにけっこう苦戦しました。
主人公は取り返しつかなくなる前に気づくといいですが。
2019/09/03 05:1099+返信16件
No Name
居なくなって大切さが分かるというパターンはダメです。かけがえのない人との時間も有限ですよ。私は死別したのでそれだけは伝えたいです。
2019/09/03 05:4199+返信1件
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