26歳・平凡だったサラリーマンの人生が、“クルマ人脈”で激変。彼を愛した女の苦悩

2人の仲を切り裂いた”ブランドバッグ”事件


「私はひとり暮らしの一般社員です。毎月のお給料でなんとかやり繰りができている程度で…いいバッグだって持っていないし」

ある日彼女は彼にその思いを、そのまま正直に伝えてみた。すると「なんだ、そうだったの?…気が付かずにごめんね。」とその数日後、彼はブランド物の紙袋を持って彼女の前に現れたという。

「その中には、以前の彼だったら1ヶ月分の給与に相当するような額のバックが入っていました…」

驚いて紙袋を突き返すと「気に入らなかった?他のバッグが良かったの?」と彼は困惑した顔をした。

「違う、そういう事じゃないと思ったのですが、でも、それをうまく言葉にできなくて…。そのブランドバッグ事件をきっかけに、私の心の中に溜まっていた黒くドロドロとした感情があふれてきて、どうしようもなくなってしまったんです」

そして次第に2人の間には溝ができ、ついに破局。その後優美は、彼とはもちろん、仲良くなっていたツーリング仲間との連絡も絶った。

そして1年ほどたち、そろそろ新しい恋愛をしようと思っていた矢先。遠い世界に行ってしまったはずの彼から連絡があったのだ。

ツーリングをきっかけに復縁


それは「ツーリングに1人で行くと優美ちゃんはどうしたの?と心配されるよ…みんな僕なんかより優美に会いたいみたいだよ」という誘いだった。

「別れてから1年くらい経っていて気持ちも落ち着いていたし、ツーリング自体はとても好きだったから…。少し悩んだのですが、その誘いに乗りました」

それをきっかけにまた会うようになり、1か月ほどしたあとに復縁したという。

「当時は、私も少し卑屈になってしまっていたので…。でも久しぶりに行ったツーリングは純粋にとても楽しくて、周りのみんなも歓迎してくれました」

あとで聞いたところによると、彼は優美と別れたあと、派手な女性を散々連れまわしていたようだが、どれも長続きしなかったようだ。戻るべきところに戻った、という感じだろうか。

そして彼は当時のことを振り返り、「突然環境が変わっていい気になった僕が優美を振り回しちゃったね、ごめんね」と言ったという。

「復縁するとき、彼は”昔から変わらない私が好きだ”と言ってくれたけど、これをきっかけに私も卑屈にならず、自分にもっと自信を持ちたいなと思うようになったんです」

そして彼女は決心した。まずは自分に自信をつけるために、これまであまり興味のなかったネイルサロンで爪を整え、美容院にもこまめに通うようになった。

「ツーリングに来ている女性たちをよく見ると、いい物を身につけてるだけじゃなくて、爪の先までピカピカなんです。いきなりブランド物とかは買えないけれど、目立たないところまで綺麗でいたいなって。最近はそんな自分の変化が、楽しいなと思うようになってきました」

彼女は照れながら、そう言った。そして彼はついに、この夏発売された新型の911カレラを予約しているという。

「…実はこの前の誕生日に、プロポーズされたんです。だから今度は妻として、彼の新しいカレラから堂々と降りる事ができる、そんな女性が目標です」

そう話す彼女のウエディングドレス姿は、きっと輝いているに違いない。

『ポルシェ911カレラ』の助手席に座る彼女は、控えめながらも自らの殻を破り彼と共に成長しようと前へ進むことができる女性だった。


▶Next:8月27日 火曜更新予定
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