立場逆転 Vol.4

久々の夫婦デートは単価5,000円のイタリアン。モヤる妻が気づいてしまった、夫の本音

やりがいのある仕事でキャリアを重ね、華やかな独身ライフを満喫する女。

早々に結婚し専業主婦となったものの、ひたすら子どもの世話に追われている女。

女として本当に幸せなのは、どっちだと思う−?

独身キャリア・工藤千明と、専業主婦・沢田美緒。

対照的な選択をした二人が、同窓会で再会

20代で自己投資を惜しまなかった千明は洗練された美女へと変貌。複数の男性から言い寄られるも、最も気になる男からは、「結婚する気はない」と宣言されてしまう

一方、かつて学校一のモテ女だったものの所帯染みた主婦となった美緒は、千明の変わりようを見て、密かに焦りを感じていた。


沢田美緒:夫との、久しぶりのデート


ひとりで優雅に、カット&カラー&トリートメントのフルコースなんて…一体いつぶりだろうか。

私は北青山のヘアサロンで、たっぷり4時間のヘアケアを終えた。

日常じゃ、子育てに追われ、ゆっくり髪の手入れをする余裕などない。

さらに言えば、出産を経たあと私の髪は驚くほどパサパサになった。栄養という栄養を、全て持っていかれたように。

仕方なく顎下までバッサリと切り、それからもうずっと短いままにしている。

それでも贅沢なケアにより、久方ぶりに現れた天使の輪を、私は感動の眼差しで食い入るように見つめた。

「…この後、どこかへお出かけですか?」

しばし鏡の中の自分に自分で見惚れていると、ブローを終えた美容師にそう尋ねられた。

「はい。久しぶりに…夫とデートなんです」

夫と、デート。

自らが発した言葉なのに、言い慣れないし聞き慣れず、こそばゆい思いがする。

それもそのはず。息子・遼が生まれてからのこの6年間、夫婦二人だけで外出をしたのなんて…きっと片手に数えるほどだ。

しかしおそらくまだ20代前半の、若すぎる男性美容師には、子持ち主婦が夫とのデートに浮かれる気持ちなどわからないらしい。

「へぇ」と軽く受け流し「軽く内巻きにしておきますね〜」と、さほど興味もなさげに言われただけだった。

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