女たちの選択 Vol.7

「田舎の開業医になんか、嫁ぐんじゃなかった…」東京を諦めきれない元・港区女子の後悔

−“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定概念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

選択に結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。結婚願望が強い美香(34歳)不本意にデートを繰り返す人妻・真弓(32歳)産後鬱に陥った由里子(33歳)育児と仕事の両立に悩む会社役員の麻里キャリアを逃した高学歴女・佳代(35歳)結婚しない選択をした友里恵を紹介した。

今回は、「やはり東京に残るべきだった」と語る沙耶(32歳)のお話。


「SNSって残酷ですよね。それぞれの生活レベルも、センスも、日々の充実度も…何もかもが如実に現れてしまう。こんなものがなければ、知らないままでいられたはずなのに」

香川県高松市の、とある喫茶店にて。

手入れの行き届いた髪、美しいフレンチネイルを施した爪。左手薬指には、大粒のダイヤが光る。圧倒的なセレブ妻オーラを放つ美貌の女…高岡沙耶は、そう言って深々と息を吐いた。

同じ店内を見渡すと、溢れているのは、お世辞にも美しいとは言いがたい所帯染みた主婦やママ友の群れだ。

しかしそんな中、沙耶の周りだけがスポットライトを浴びたように輝いている。

彼女が地元の人間でなく、そしてここ高松での生活に馴染んでいないことは、一目で明らかだった。

沙耶は死んだ魚のような目で周囲を見渡すと、諦めたような、怯えたような声を出した。

「インスタで、東京の友人たちが話題のレストランやカフェにいち早く足を運び、ブランドの新作片手に完璧なポーズを決めているのを見ると…どうしようもなく心が焦ります。ここじゃそんな生活、無理だから…」

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