32歳のシンデレラ Vol.7

31歳、お一人様の誕生日を救う男からの誘い。喜んで応じた女が後悔してしまう理由とは

「その10年が人生を決める」とも言われる、20代。

大半は自分の理想や夢を追い、自分の欲に素直になって、その10年を駆け抜けていく。

しかし中には事情を抱え、20代でそれは叶わず、30代を迎える者もいる。

この物語の主人公・藤沢千尋は病に倒れた母のため、都会に憧れつつも地元の愛媛に残り20代を過ごす

しかし母が他界したことをきっかけに、30歳から上京を決意し、就職活動を始めることに。就職が決まり上京した千尋は、就職先で茉莉と出会ったことをきっかけに、婚活デビューを果たす。

恋愛経験の少なさを痛感した千尋は、31歳の誕生日に向けて次なる一手を模索し始めるのだった。


―信じられない、巷ではこんな展開がありえるの……?

婚活初戦で、茉莉にダメ男認定された男・春樹につかまってしまった千尋は、勉強のために婚活ブログや婚活コラムを読み漁っていた。

今まで真面目さを売りに30年生きてきて、婚活を始めた今、突然変異が起きて魔性の女などになれるわけもない。だが、恋愛経験の少なさはどう考えてもマイナス要因だ。

そんなことを考えていた時期に、春樹の誘いをきっぱりと断り、悩みのタネが消えた千尋は、今までにない明るさと吹っ切れた爽やかな気持ちを味わいながら決意したのだ。

―もう、こうなったら、世の中の恋愛マニュアルとやら、全部頭の中にいれてみせる!

はじめは義務的にいくつかのサイトをブックマークし出勤中に読むようにしていたのだが、気がつくと見事にハマってしまった。

千尋はハッとして、キョロキョロと周りを見回す。

―よかった、知り合いは誰もいないみたい……。

先週なんて、夢中になって読み漁っているときに肩をたたかれ、振り返ると同僚が立っていたのだ。瞬時に画面が見えないように体に引き寄せたが、動揺するあまり変な汗をかいてしまった。

―“イイ男がいないと思うときは自分もイイ女になれていない”か……。この名言はメモしておかないと。

もともとメモ魔ではあったのだが、今やスケジュール帳は婚活手帳と化していた。

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