東京ワーママ戦線 Vol.3

「すっかり“お母さん”になったね」元カレからの痛烈な一言に動揺する、育休明けの28歳女

ワーキングマザー。

それは働きながらも子育てをする母親の総称。

独身を謳歌するバリキャリ女子でもなければ、家で夫を待つ専業主婦でもない。

“母親”としてだけでなく、1人の働く女性としてキャリアを積みたい、と願う女性たちのことである。

だがそんな彼女たちに待ち受けるのは、試練ばかり。

青山の専門商社で働く翠(28)は5年間営業として働いた後、1年間の産休育休を取得し、職場に復帰。晴れてワーキングマザーとなった

しかし、同期の凛から喧嘩を売られ、社内で対立してしまう


「凛ちゃんに『子どもがかわいそう』って言われたの? 確かに1番言われたくない言葉だよね」

凛と対立した日から1週間後、翠は先輩の絵里をランチに誘っていた。

あれから4日間は颯太の熱が下がらず看病を続け、やっと昨日平熱に戻り、今朝は元気いっぱいに登園することができた。

絵里は2人の子を持つワーママで、現在は役員秘書として働いているが、2人目の産休前までは新規ビジネスチームのリーダーを任されていた。

2人目の出産を機にキャリアプランを大きく変え、リーダーではなくなったが、現在も仕事は続けている。

「凛に私の何がわかるっていうんですかね。専業主婦のお母さんを持つ子と共働きで保育園に通う子、どっちがかわいそうでどっちが幸せかなんて、計れないものだと思うんです」

あのときの勝ち誇ったような凛の表情を思い出すだけで怒りが込み上げてくる。確かに颯太と一緒に過ごす時間は限られているけれども、その分、めいっぱい愛情を注いでいるつもりだ。

絵里は翠の主張を一通り聞き終えて、穏やかな表情をたたえたままコーヒーを一口飲んだ。

「翠、私はあなたの気持ちは痛いぐらいわかる。わかるけど、あなたがこれから会社の第一線でやっていこうとしたら、そんな中傷は嫌になるぐらい浴びせられるの。いちいち傷ついていたって仕方ないでしょ。笑って流せるぐらいの余裕を持たなきゃ」

絵里のたくましい言葉の裏に、彼女がそれまで歩んできたワーママとしての険しい道のりを感じ取り、翠は深く頷くしかなかった。

とはいえ、これから毎日凛と顔を合わせなければいけない。凛には絶対負けたくはない、そう翠は心に誓っていた。

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