ロマンスが恋しくて Vol.5

「これって、誘われてる…?」夜20時、男と二人きりのオフィスで何かを期待してしまった女

いつの頃からか、「婚活してるの?」とすら聞かれなくなった。

幸せになりたいと願う気持ちは、何歳になっても変わらないのにー。

35歳を過ぎてから「独身」がコンプレックスとなっていく女。婚活歴15年の山崎真理子も、まさにそういう女だった。

顔は悪くない、性格は難なし、仕事は順調。結婚願望は今もある。

―40歳になったって、恋愛も結婚も仕事も、諦めたくない。

これは、年齢を重ねるにつれて“幸せになること”を諦めかけていた女が奮起し、幸せ探しを再スタートする物語である。

大手飲料メーカーでPRの仕事をする真理子は、後輩の心ない一言で撃沈し、それをバネに幸せを必ず掴むという決意をした。

ついに41歳の誕生日を迎えた真理子。その夜年下の上司・黒田からバースデーLINEが届くが、ひなのと黒田が二人で食事に行ったことを知ってしまい動揺する。一方で、お食事会で出会った早川とデートにいくが彼が既婚者だと発覚したのだった。


「ねえ、最近どうなの?彼氏できた?」

突然の問いかけに、真理子は思わず顔を引きつらせた。

真理子に向かって身を乗り出し、そんなことを尋ねてきたのは、妹の遥(37歳)である。

今日は、溝の口の実家に来ているのだ。既に結婚している遥が、子供たちを連れて実家に行くと連絡があったので、真理子も訪れていた。

「で、どうなの?お姉ちゃん。こんなこと聞いてくれるの、私くらいだと思うけどねっ」

子供の頃から毒舌の妹にしつこく詰め寄られ、真理子はしぶしぶ口を開く。

「あのねぇ、そんな人いたら、すぐ紹介するよ」

そうして、早川との最悪なデートの一部始終を遥に報告した。人をバカにしたような早川の態度は、今思い出しても気分が悪くなるが、なんだか無性に聞いてもらいたい気分だったのだ。

真理子と違って、遥は要領が良い。そんな妹に恋愛相談をして、アドバイスしてもらうことは、昔からよくあったのを思い出した。

「“慎重派”のお姉ちゃんが、頑張って一歩行動に出てみたら…。“既婚者という地雷を踏んだだけ”って、なんか痛いねえ」

しみじみとした口調だが、遥の言葉はグサリと胸に突き刺さる。

「そんなことはっきり言わないでよ…」

でも、遥の言う通りだと思った。

真理子にしては珍しくガツンと怒りをぶつけて、一歩前に進めた気がしていたけれど、結局何も現実は変わっていないのだ。

「あーあ…。現実は、彼氏なし・夫なしの、代わり映えしない毎日だわ…」

真理子はがっくりと肩を落とすのだった。

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