美女失脚 Vol.10

「タクシーは乗らない」地味な“富裕層”の日常。その裏に隠された驚きの趣味とは

「女の価値は、顔でしょ?」

恵まれたルックスで、男もお金も思い通り、モテまくりの人生を送ってきた優里・29歳。

玉の輿なんて楽勝。あとは、私が本気になるだけ。

そう思っていた。

だが、30歳を前に、モテ女の人生は徐々に予想外の方向に向かっていく…。

ようやく転職出来た優里は、先出勤初日から大失敗。汚名返上のため、あることを画策するが…?


−はぁ、失敗しちゃった…。

優里は、ガランとした理事長の汚部屋を眺めながら、ポツリと独り言をつぶやいた。

9時に初出勤してから4時間しか経過していないのに、電話のワンコール、タクシーの手配ミスなど、失敗のオンパレードである。

庶務のオバちゃん・丸山から詳しいことは引き継ぎされていなかったが、新入社員でもあるまいし、こんな初歩的な失敗ばかりするなんて情けない。

−はあ…って、ため息ばかりじゃだめだ。汚名返上しなくちゃ!

優里は持ち前のポジティブシンキングで、何か罪滅ぼしは出来ないかと考えたのだ。そして思いついたのが、汚い理事長室の掃除。

あまりの惨状に誰も手をつけたがらないのだろう。掃除したらきっと喜ばれるはずだ。

昼休みを早めに切り上げると、早速片付けに取り掛かる。

机やソファ、ありとあらゆる場所に散乱した書類や新聞、植物図鑑の整理整頓から始めた。

−2010年!?そんな昔のパーティー招待状なんか絶対に要らない。捨てちゃってOK!

シュレッダーにかける書類を段ボールにガンガン放り込んでいく。不要なものばかりなので片付けは順調に進んでいった。

が、しかし。優里はこの時、自分の“善意”が、再び逆鱗に触れるとは思ってもいなかったのだ。

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