彼氏に毎晩マッサージ…?男に服従してばかりの30歳女の、恐るべき逆襲とは

「私が好きになる人って、いつもワガママで、怒りん坊ばっかりなんです」

ドM発言には一瞬ギクリとしたが、まりえはどうやら“俺様系”の男に惹かれるらしい。

好きなタイプは“男らしい人”“尊敬できる人”とのことだが、現実の男は気質が少々ズレてしまうのが彼女の大きな悩みである。

「先週別れた謙太郎もそうでした。最初はそんな人じゃなかったのに...」

元彼・謙太郎とは1年ほど前に友人主催のBBQで出会ったという。

率先して肉を焼き参加者に気を配る彼はリーダー感に溢れており、まさに理想の男だった。

「謙太郎は面倒見が良くて、“俺について来い”ってタイプの人でした。少なくとも、付き合いたての頃は...」

「彼って、元々いろんなスキルが高い人だったんです。掃除も料理もできるし、何をしても器用でした。でも、それを私にも強要するようになったんですよね」

靴下の畳み方、グラスの洗い方、味噌汁の味付け。

飲食店の経営者であった謙太郎は何事にも感度が高く、素人のまりえの家事にも細かく口を出した。

「家事とかマッサージとか、色々と頼まれるのは全然苦じゃないんですよ。でも、いつの間にか家来みたいになっちゃうのはやっぱり違和感があって...」

まりえは眉間にシワを寄せて勢いよく喋り始めたが、“マッサージ”という言葉が引っかかる。

「あ、元彼には毎晩マッサージしてあげてたんです。ああだこうだ指摘されながら、最後にはタイ古式マッサージの資格まで取ったので、私かなり上手いんですよ」

再びニッコリと微笑むまりえだが、彼女の家来っぷりはそれだけでは止まらない。

「あとは彼の仕事上、冠婚葬祭のお手紙やお礼状を書くことも多いからって、ペン習字も習っていつも私が代筆してました。達筆じゃないと格好つかないって言うから。

もっとありますよ。彼、仕事仲間とホームパーティーするのが好きだったんですけど、ただの手料理じゃ味気ないからって馴染みのお鮨屋さんに弟子入りするように言われて、私、修行してお鮨も握れるようになっちゃいました」

もはや自慢気に語り始めたまりえだが、それほど男の言いなりになることに苛立ちは感じないのだろうか。

「うーん。私って何なんだろう...って思うときもありますけど、“まりえを頼りにしてるだけ”とか“嫌ならいいよ”って強気な態度を取られると、“そうだよね、ごめんね”って言うこと聞いちゃうんです、私。でも...」

まりえは一瞬だけシュンとした表情を見せたが、その後、まさに“ドM”の真髄に迫るセリフを口にした。

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