美女失脚 Vol.8

「こんな地味な女が、何故ウケる…?」勘違い美女が、29歳にしてようやく悟った現実とは

「女の価値は、顔でしょ?」

恵まれたルックスで、男もお金も思い通り、モテまくりの人生を送ってきた優里・29歳。

玉の輿なんて楽勝。あとは、私が本気になるだけ。

そう思っていた。

だが、30歳を前に、モテ女の人生は徐々に予想外の方向に向かっていく…。

転職エージェントの勝俣からのアドバイスを得ながら、転職活動に励む優里。果たして、転職はうまくいくのか…?


−ふぅ、緊張するなぁ…。

濃いネイビーのスーツに身を包んだ優里は、姿見で全身を念入りにチェックしながら大きく深呼吸する。

今日は、書類審査を通過した一般社団法人の面接。

理事長の秘書という仕事や、組織の規模、丸の内という立地など、優里の希望に合致するため、志望度はかなり高い。どうにかして内定をもらいたいのが本音だ。

薄めの化粧を心がけ、髪の色もかなり暗いブラウンに染め直した。

今日は、ネイルもナチュラルなピンクに塗り直し、髪もひとつ結びにして、“地味な女”に徹する。

正直、こんな地味な女が面接官の記憶に残るのか不安だが、これらは勝俣のアドバイスによるものだ。

彼女によれば、優里が受ける一般社団法人の理事長は元メガバンクの会長で、組織も銀行出身者が多いらしい。銀行業界は、いまだに服装のガイドラインが厳しく、一目でわかるブランド品や“派手なもの”が大嫌い。

“地味”や“無難”という言葉は、優里の大嫌いな単語だが、勝俣からしつこく服装について念を押されたため、しぶしぶ従った。

−そろそろ行こうかしら。

優里は、就活生のようなローヒールパンプスを履き、面接へと向かった。

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