羽田空港STORY Vol.9

「あの超美人CAが、まさか失恋…!?」地味な人見知り女子が苛立ちを抱いたワケ

利用旅客数世界屈指の大空港・羽田。

そこには、行き交う人の数だけ、ドラマがある。

胸を締め付けるほどの期待、心がちぎれるほどの後悔。

想いは交差し、今日もここで「誰かの人生」の風向きが、ほんの少しだけ変わる。

これは、羽田空港を舞台に繰り広げられる、様々な男女のオムニバスストーリー。

これまでに紹介したのは、グランドスタッフの山田芽衣パイロット訓練生の神崎賢人不器用な恋の始まりや、超美人CAの相本美琴と、31年彼女なしの整備士、三上透の胸の内

さらに先週は妹を羨むLCC(ローコストキャリア)CA・仙崎千佳と、東大医師・松坂海里が登場した。

今週は、空港のガテン女子・グランドハンドラー藍沢玲の物語。ある美人CAとの出会いが、彼女の平凡な日々を変えていく―。


「無事にさっさと飛んで行けよお~」

作業を終え、ランプと呼ばれる駐機エリアに並んだ先輩たちが、飛行機に手を振りながらそんな軽口をたたく。

飛行機が、滑走路に向かってゆっくりと進み始めた。

専門学校を卒業してこの仕事について3年。何度見ても、美しいと思う瞬間だ。

飛行機が飛び立つのを見送ると、3つ上の三浦先輩が思いついたように振り返る。

「藍沢!もうすぐ試験だろ?特殊車両の運転、ちょっと見てやろうか」

「ほんとですか。ありがとうございます」

飛行機に「一番近い場所」で働くグランドハンドリングスタッフ。

簡単に言えば飛行機を誘導したり、特殊車両を操って貨物を搭載したり、給油したりという飛行機の世話係だ。

滑走路のすぐそば、当然屋外の仕事なので、夏は地獄のように暑く、冬もまた地獄のように寒い。

そんな厳しい環境では男性社員が圧倒的で、チームに女子は私一人という有様だった。

人からは心配されることもあったが、飛行機が大好きで、実を言うと密度の濃い女の子のコミュニティや人付き合いがとても苦手な私にとって、技術を磨きながら作業に打ち込めるこの仕事は天職だと思っている。

―そんな私の平穏で地味な日々が、「彼女」との出会いをきっかけに、変わっていくことになるのだ。

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