羽田空港STORY Vol.6

恐怖のCAカーストに苦しむ女。超大手エアラインの美人妹に勝てない、LCC勤務の姉

利用旅客数世界屈指の大空港・羽田。

そこには、行き交う人の数だけ、ドラマがある。

日常と非日常。出会いと別れ。

胸を締め付けるほどの期待と、心がちぎれるほどの後悔と。

想いは交差し、今日もここで「誰かの人生」の風向きが、ほんの少しだけ変わるのだ。

これは、羽田空港を舞台に繰り広げられる、様々な男女のオムニバスストーリー。

これまでに紹介したのはグランドスタッフの山田芽衣パイロット訓練生の神崎賢人不器用な恋の始まり

そして超美人CAの相本美琴と、31年彼女なしの整備士、三上透

今回は、外資系LCC(ローコストキャリア)CA、仙崎千佳の物語。


「千佳ちゃ~ん!すごい偶然、この時間到着だったんだ?」

振り返ると、妹の紗矢が黒いキャリーケースを引きながら羽田空港のロビーを小走りに近寄ってくるところだった。

「紗矢も、今帰り?」

「うん、一緒に帰ろ!」

京急線ホームに続く長いエスカレーターを降りていくと、これから出張であろう上りエスカレーターのビジネスマンたちが、すれ違いざまにちらちらと妹を見る。

さっきまでフライトできつくお団子に結っていた黒いロングヘアは、ゆるくダウンスタイルになり、白く滑らかな肌とエレガントなメイクをひきたてていた。

紗矢は、国内大手エアラインのCAだ。

「千佳ちゃんも3泊4日パターンのステイだったよね?どこ飛んでたの?」

「昨日は千歳ステイだよ」

「え!?そうだったの?言ってよ、私も昨日は久々に国内線でしかも千歳だったんだよ!なんだ、一緒にご飯いけたのにね」

「機長がクルー全員にご馳走してくれるっていうから、みんなでジンギスカン食べにいったの。だからどちらにせよご飯は無理だったかも」

私は何でもないことのように会話を続けたけど、本当は、ステイ先でまで紗矢との「格差」を感じたくなくて、連絡しなかっただけ。

市内で一番いいホテルに泊まるレガシー(大手)CAの妹と、狭いビジネスホテルにステイする、LCC(ローコストキャリア) CAの姉。

同じCAでも、そこには深くて暗い溝があるのだ。

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