リッチな経営者ばかりと付き合ってきた美女の恋が、いつもダメになる理由とは

「一定レベル以上の美人なら、30歳を超えても需要はあります」


「元カレ…拓也は同い年の商社マンです。私、会社員と付き合ったのって、彼が初めてなんですよ。大学を卒業してすぐ名古屋から上京して、それから、そうだな...10人以上と付き合ったけど、みんなうんと年上の経営者でした」

どこか自慢げに語る紗枝。リッチな経営者の彼女であった過去を、誇りに思っているようだ。

「私、自分から告白したことってないんです。そんな必要がないっていうか…お食事会とかパーティーに顔を出せば必ず声がかかるし、熱心に口説いてくれる男性の中から一番いい条件の人を選ぶのが常でした」

しかしそれも、20代のうちの話では…?そんな疑問が浮かぶが、紗枝曰くそういうものでもないらしい。

「巷じゃ30代の女は一気に相手探しが難しくなるって言われてますけど、それは普通の人の話。一定レベル以上の美人なら、30代だろうが余裕で需要あるんですよ」

自信満々に言い切り、紗枝は前髪をふわりとかきあげた。

「拓也との出会いだって、一昨年だから…私が31歳のときなんです。女友達とバンコクに行った時に出会いました。お互い異国の地で開放的だったしいい感じになって…さすがに一線は越えなかったけど(笑)」

紗枝としても、拓也とは旅先のアバンチュールで終わるはずだった。

しかし、しばらくして拓也の方から連絡があったのだという。

「日本に帰国したから会おうよって言われて。その時、私彼氏がいるにはいたんですけど…IT社長の彼が。でも正直、すでに若干マンネリで。それで拓也と会ってみることにしたんです」

会社員に興味などなかったはずの紗枝。しかし拓也との再会で、自分の気持ちの変化に気づいたという。

「若い頃はまったく魅力を感じなかったけど、歳を重ねると大企業のビジネスマンも素敵に見えてくるんですよね。組織で揉まれてきた感じに惹かれるのかな」

これまでとは違うトキメキを感じた紗枝は、その日のうちに、拓也に誘われるがまま彼の家に行った。

「彼、私の見た目がとにかく好みだったみたいで。盛り上がって、すぐ付き合うことになりました」

にこやかに微笑んだ紗枝。しかし彼女にはIT社長の彼氏がいたはずでは…?

「ああ、そうですね。いましたけど。でも拓也だって最初は何人か同時並行してたと思いますよ。彼、きっとモテますから」

…そんなわけで、最初はとてもライトに始まった、二人の関係。しかし付き合いを重ねるうち、紗枝は次第に拓也との結婚を意識するようになったという。

「若い頃は商社マンと結婚するつもりなんてなかったけど…拓也ってすごくバランスの良い男なんです。気持ちも安定してて、私に対してもいつも優しい。結婚するならこういう人なのかもって思うようになったんですよね」

本気になった紗枝は、それまでの男関係を一掃し拓也一筋で尽くすようになった。赤坂に住む彼のマンションを頻繁に訪れ、キャラ変したかのように手料理なども振る舞ったという。

ところが…紗枝が“ある女の影”に気づいたのは、そんな矢先だった。

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