一緒に週末を過ごすのは月に1回だけという夫婦の実態

春樹が、自分のことを「永遠の旅人」と言うのには、大きく3つの理由があるという。

理由その1 未知との遭遇を常に求める


「僕、昔から自由気ままに旅をすることが好きだったんです。大学時代は山岳サークルに入って日本各地を巡りました。日本にはこんなに美しい場所があるのか、と感動して世界に目を向けるようになりました」

大学時代に世界を旅する者は多い。春樹もまさにそんな一人だったようだが、彼の場合はかなり本格派だったようだ。

「4ヶ月ほどかけて世界一周旅行にも行きました。インドではマザーテレサの施設でボランティアを行い衝撃を受け、セドナで出会った日本人とはその後仕事で偶然の再会があったりして。未知の場所に行って、様々な価値観の人に出会うことが好きなんです」

意気揚々と旅の出会いについて語り始める春樹。今でもその情熱は続いていて世界中を旅しており、最近ではスペインに行ってきたとのこと。

「旅行に行くと言っても、わざわざ有給をとってという概念はないです。地球の裏側からでも、パソコン一つあれば会議にも参加できますからね。リモートワークの一環です」

旅をすることが、ライフワークのひとつになっているようだ。

理由その2 フェードアウト男


春樹は、恋愛においては「フェードアウト男」と言われていたとのこと。

「付き合うまでは連絡もマメにするし、デートなんかもプランを練るんですけれども。一旦付き合うと生来の癖が出てしまうみたいで…」

連絡はマメにしない、音信不通になる、行き先も言わず旅に出るなど。

「付き合っている彼女によっては、それですごく不安にさせてしまう場合もあって、安否を確認したいから少しは連絡してと言われてだんだん気持ちが離れてしまい、そのままフェードアウトして行くパターンが多かったです…」

苦笑いしながら申し訳なさそうに言う姿には、どこか憎めなさが漂っている。それがよけいに女性を複雑な気持ちにさせていただのではないだろうか。

理由その3 お金と時間を自由に使いたい


そんな春樹には譲れない価値観がある。それは「お金と時間を自由に使うこと」。すなわち、高収入を得てかつ好きな時に好きな場所に行けること。

「結婚となれば、自分の時間が少なくなり、お金も自由に使えなくなる可能性がありますからね。もともと結婚には向いていないと思っていました」

ここまで聞いていて、ある疑問が浮かんでくる。

・未知との遭遇を常に求める
・フェードアウト男
・お金と時間を自由に使いたい

という「永遠の旅人」と自負する彼が、時には“人生の墓場”とまで言われる結婚を決意できたのはなぜか。

心の拠り所として妻という存在を求める気持ちはわかるが、彼の求める人生観と結婚は、まるで対極なものにも思える。

そのあたりを、より深く聞いてみることにした。

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