夫の異変は突然に Vol.9

夫の居ない隙に、妻のもとに届いた禁断のメッセージ。押してはならないスイッチがONになった夜

美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。

上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。

まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。

…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。

幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。

それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?


妊娠が発覚したあずさは、ついに雄太に報告した。すると、雄太からは「転職する」と無謀な計画を打ち明けられる。言い争いの末、あずさは実家に帰る決意をするが…?


「ちょっとどうしたの…事情は後で聞くから。とりあえず入りなさい」

21時過ぎ。

あずさがたまプラーザの実家に帰宅すると、初め母はかなり驚いた様子だった。だが、すぐに事情を察したようで、「来客用だけど」と言いながらスリッパを差し出した。

涙でボロボロになった顔で、ボストンバッグを持った娘が平日夜に突然帰宅したのだ。家庭で何か起きたと考えるのは、想像に難くないだろう。

「ただいま…」

リビングに入ると、ソファに寝転んでいた父親も突然の出来事に飛び起きたが、何も聞かずに「おかえり」と微笑んでくれる。

「ご飯は食べたの?今日はね、偶然にもあずさの大好きなミートローフだったのよ」

「ううん…」

普通に接してくれる母の愛を感じながら、思わず言葉を詰まらせる。

ここに来るまでに散々泣いたというのに、目から再び大粒の涙がこぼれ落ちた。

「やだやだ。じゃあ先にお風呂に入ってきて。何か用意しておくから」

母に背中を押されて浴室へと向かうと、あずさはゆっくりとバスタブに浸かる。

−ゆうちゃんは、私のことなんかどうでもいいんだろうな。

ふと、雄太と言い争いをしたときのことが、脳裏をよぎる。

あずさが実家に帰ると宣言した時、まさか雄太があんなことを言うなんてー。

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