姉妹格差 Vol.1

姉妹格差:男も金も手に入れた超絶美女の姉と、虐げられてきた妹。27歳の女が、結婚式で受けた屈辱

姉は光、私は影


披露宴会場のグランドボールルームに移動すると、その顔ぶれの豪華さに息を呑んだ。新婦側の丸テーブルに、有名な弁護士や法律学者など、法曹界の著名人が座っているのだ。

それもそのはずである。姉は東大法学部卒、さらには在学中に旧司法試験を突破し、大手の法律事務所に所属する、渉外弁護士だ。その年収は、1,500万を超える。

だが、新郎も負けてはいない。新郎の圭一もまた、東大法学部卒の外資系戦略ファームに勤めるエリートだった。

それゆえ、招待客のほとんどが東大出身者なのだ。

凄い光景だわ、と白けた気分で眺めていたその時、「あっ」と声をあげそうになった。新婦側の招待客に、姉の元カレがいたのだ。しかも、2人。

-普通、結婚式に元カレを招待する…?

ドン引きしたが、天然魔性な姉ならあり得る、と思い直す。

思えば、姉には高校生ぐらいから常に男の影があった。男の支配欲をくすぐり「私、あなたしか頼る人がいないの…」と言いながら、男に甘える天才なのだ。

「超絶美人で優秀な女が、自分にだけ甘えてくれる」

錯覚した男たちは、次々と姉の手中にはまった。外銀男、医師、経営者…そういう男たちと散々遊んでおいて、30歳を目前にして、あっさり結婚を決めたのである。

彼女がかつて、私に言い放ったセリフがある。

「女にはね、男を『愛させる』義務があるの」

美貌、頭脳、キャリア、金、エリート夫。世の女性が欲しくてたまらないものを、いとも簡単に手に入れる。それが神崎桜という女だった。

一方の私には、そのすべてがないというのに。


「それではこれから、新郎新婦のプロフィールビデオをお流しします」

司会者の威勢のいいアナウンスとともに、姉妹写真が巨大スクリーンに写し出され、思わず顔をそむけたくなった。

写真は、姉が6歳、私が3歳の時のものだ。姉は写真のど真ん中で、桜の名に相応しい淡いピンク色のドレスを着て、にっこりと微笑んでいる。さながら西洋のお人形だ。

そして、その姉の後ろでまるで影のように佇んでいるのが、私だった。

-姉はいつもピンク色で、私は黒か灰色の服だったな…。

それだけではない。写真の枚数だって違っていた。赤ちゃん時代の写真が、姉は1,000枚以上あったのに対し、私は100枚にも満たない。

いつだって姉が主役で私は脇役。姉が光なら私は影。生まれた瞬間から、私たちには格差があったのだ。

「桜はこの頃からオーラがあったな」
「ほんと、別格だわ」

満足そうに頷く父と母の会話が聞こえて、私は「バカみたい。格付けしたのは、あなたたちでしょ」と心の中で罵った。

父・神崎真は東大在学中に司法試験を突破した渉外弁護士だ。小さい頃から、両親は私たちにこう言った。

「東大以外は大学じゃない」
「将来の職業は弁護士以外ありえない」

少しでも成績が悪いと容赦なく平手打ちが飛んだ。頬が真っ赤に腫れあがって、髪の毛でどうにか隠しながら学校に行ったこともある。

そんな毒親の期待通りに人生のコマを進めたのが姉で、進められなかったのが私だった。

そして、姉が名門女子中学校への合格を勝ち取ると…あろうことか、今度は彼女自身が"毒姉"と化し、あらゆる面で私を支配してくるようになったのである。

この記事へのコメント

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No Name
30才だが20代に見える人って、10万人くらい居ませんか❓
2019/03/21 06:0799+返信25件
No Name
どんなに美人で頭良くても妹のこと毒親から親から庇うんじゃなくて一緒に虐めるようなお姉ちゃん、魅力ないよ。そういう人は完璧とは言わないし、これから40.50と年取っていくうちに顔つきや所作にねっとりと滲み出てくるよ🙄
2019/03/21 05:3499+返信3件
No Name
姉がここまで優秀で超美人だと、ずっと比較されてきただろうし、卑屈になってしまうのもわかる。親が平等に褒めて育てていれば、大好きな自慢のお姉ちゃん、みたいに思えるのかな。
2019/03/21 05:1899+返信2件
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