夫の異変は突然に Vol.6

病気の夫を支えるために、他の男に甘える妻。頼れる彼が“男の顔”を見せた、白昼の出来事

美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。

上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。

まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。

…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。

幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。

それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?


うつ状態と診断された夫・雄太は、ついに休職することに。穏やかな日々を送っているかのように見えるが、あずさは不安に苛まれていた。そんな時、同期の河村と再会したあずさの心が揺れ動く…。


22時過ぎ。

帰宅したあずさが玄関を開けると、パジャマ姿の雄太が門番のように立っていた。

「わっ、びっくりした…。遅くなってごめんね」

「おかえり。遅かったから心配したよ。帰ってこないんじゃないかって。ああ、良かった、本当に安心した」

そう言った雄太は、今にも泣き出しそうな顔であずさの頰に触れた。

−そんなに…?

21時には帰宅すると言って出てきたから雄太が心配するのも無理はないが、ちょっと大げさな気もする。

「ごめんね、ちょっと盛り上がっちゃって」

不思議に思いながら弁解すると、突然、雄太はあずさを抱きしめた。

「なんか急に心配になっちゃってさ…。あずさが出て行っちゃったのかなとか。俺、捨てられたのかなって」

「そんなこと…。心配かけてごめんね」

よほど心細かったのか、雄太は力一杯抱きしめてくる。

そんな夫を慰めながら、雄太を一人にしてしまったこと、不安にさせてしまったことを後悔していた、その瞬間。

あずさの脳裏に、ある男の顔がフラッシュバックした。

そう、さきほどまで一緒にいた、河村の顔がー。

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