略奪愛 Vol.12

略奪女を撃退した妻の、大きな誤算。慌てる夫が謝罪の代わりに口にした、予想外の言葉

人のものを奪ってはいけない。誰かを傷つけてはいけない。

そんなことは、もちろんわかっている。

しかし惹かれ合ってしまったら、愛してしまったら、もう後戻りなんてできない−。

WEBメディアで働く三好明日香(24歳)は、彼氏がいながら上司・大谷亮(おおたに・りょう)一線を超えてしまう

大谷は既婚者。一旦は距離を置こうとするも、離れられない二人

ストーカー化した明日香の元彼・昭人から逃げるように二人は同棲を開始

束の間幸せな日々を送るも、何者かの仕業により二人の関係が全社メールで暴露され、さらに明日香は一時帰国した大谷の妻から宣戦布告を受けるのだった。


大谷舞:「…何かがおかしい」妻の直感


夫・亮が運転するカイエンで、私は久しぶりの我が家へ戻った。

すぅっと静かに開くエントランスの扉も、「チン」と上品に鳴るエレベーターの音も、柔らかな絨毯が敷かれた廊下の踏み心地も懐かしい。

しかし亮の後に続き我が家へと足を踏み入れた瞬間、私はそこに漂う“違和感”にすぐさま気がついた。

言葉にするのは難しいが、見慣れたはずの部屋がガランとしているように感じる。もちろん暖房はついているのだが、私たちを包む空気に熱がない。人気が感じられない。

誰もいなかったのではないか。ふとそんな考えが頭をよぎった。

いや、そんなはずはない。ここは自分たちの家であり、私が上海にいる間は亮が一人で暮らしていたのだから。

「…どうかした?」

リビングの中央で立ち止まってしまった私を、亮が怪訝な表情で振り返る。しかしその目までもどこか他人行儀に感じ、私は妙な焦りを覚えた。

−何かがおかしい。

留守にしている間に彼が変わった気がする。いや、誰かに変えられた…?

そしてこの嫌な胸騒ぎの真相を、私はまったく予想もしていなかった人物から知らされることになる。

【略奪愛】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo