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  • 「もう一度、彼女を振り向かせたい」35歳ハイスペ男の心に火をつけた、一筋縄ではいかぬ美女の囁き

    男も35歳ともなれば、家庭を持って落ち着くべきなのか…?

    広告代理店から独立しメディアプランニング会社を経営する一馬(かずま)は、そのハイスペックな肩書きを武器に独身ライフを満喫中。

    今も気になる女性が3人おり、仕事も遊びも全力投球で楽しんでいる。

    だがふと周りを見渡せば、そのほとんどが妻帯者。良き悪友だったはずの友人まで、いつのまにか父親になっている。

    −このままでいいのだろうか。

    人生の岐路で、迷える男が出した答えとは。


    「一馬!久しぶりだな」

    しばらくぶりに顔を出した、代理店時代の同期会。

    俺の姿を見つけるや否や、オシャレ眼鏡をかけたTHEクリエイターな風貌の男が立ち上がり、すぐさま親しげに肩を抱いてきた。

    佐々木健吾。

    一馬が5年前に独立し、メディアプランニングの会社を設立するまで、代理店時代は毎晩のように飲み歩いた悪友だ。

    しかし未だ独身貴族を謳歌する一馬とは対照的に、健吾は3年前、当時付き合っていたCAとサクッと結婚。今では一児の父親で“イクメン”の称号まで得ているというから驚く。

    「仕事、順調そうだな。この前たまたま、WEBでお前がインタビューされてる記事を見つけてさぁ。なんか嬉しくなっちゃって、これ俺の同期なんだって嫁に自慢しちゃったよ」

    かつての同期を手放しで称賛する彼は、まるで自分のことのように嬉しそうだ。一寸の曇りもない笑顔は、公私ともに満たされた男の余裕さえ感じる。

    「で、どうなの最近。女の方は」
    「あー…まあ、食事に行ってる子は何人か」

    悪戯な表情で探りを入れてきた健吾に、一馬は悪びれず答える。

    かつての悪友は「ったく。相変わらずだなぁ」と豪快に笑ったが、いつまでも変わらぬ友を心配したのだろう。ふいに真面目なトーンで語りかけた。

    「けどお前もいい歳なんだからさ、そろそろ落ち着いてもいいんじゃないか。家族がいると仕事のやりがいも違うぞ」

    「…だよなぁ」

    生返事の一馬に健吾は呆れ顔を見せたが、その次の瞬間、ふと思い出したように懐かしい名を口にするのだった。

    「お前にはさ、やっぱり真希みたいな女が合ってたんだよ」

    −真希。

    久しぶりに聞くその女の名は、一馬の心にほろ苦い風を吹かせた。

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