幸せな2人 Vol.2

年収1,000万じゃ足りない。「金より愛」で結婚したはずが、子供が生まれて"負け組"に降格した女

―私は私。他の誰とも比べたりしない。

結婚して、出産する前まではこんな風に考えていたのに。

子供を持ち母となって、劣等感と嫉妬心に苦しめられる女たち。

未だかつてない格差社会に突入した東京で、彼女たちをジワジワと追い込むのは「教育格差」だった。

大恋愛の果てに結婚したエミと、代々続く病院の医師と結婚した実沙子。高校時代の同級生だったふたりはそれぞれ、幸せの絶頂にいたはずだった。

しかし偶然の再会をきっかけに、エミと実沙子の幸せだった日常は少しずつ狂い始めていくー。


結婚により生活レベルが下がってしまった佐々木エミ。夫と娘を愛しているのに、森田実沙子との再会によって、今まで感じたことのない暗い感情を抱くようになってしまう。

だが、リッチな夫を持つ実沙子も、それまで押し殺していた気持ちが溢れ始めていた。


年収1,000万円の家庭の現実


私・佐々木エミの夫である健太は、世間的にはいわゆる"勝ち組"と呼ばれるにふさわしい年収を得ていると思う。

33歳にして、年収は1,000万円弱。

結婚前には彼がどの程度稼いでいるかなど気にも留めなかったが、子供が産まれて育児休暇を取得中の私は、暇さえあればこの数字に囚われてしまっている。

なぜなら、一般的には高所得とされるこの数字でも、身も蓋もないことを言えばこの都心で豊かに生活をしていくには全く足りないという現実を知ってしまったからだ。

ー自分がしてきたのと同程度の暮らしを子供にもさせてあげたいー

親であれば誰でも、子供には出来るだけ豊かな生活をさせてあげたいと願うだろう。

結婚前は無邪気にも、23区内に一戸建てを構え、娘・りあを中学から私立にいれ、そして車を所有し好きな時に旅行や外食を楽しむ、そんな暮らしを当たり前だと思っていた。

だが、結婚して子供を授かり、はたと気がついた現実は実に厳しいものだった。

学生時代の友人・実沙子は、インターナショナル・プリスクールに子供を通わせる予定だと聞き、学費を何気なく調べていて私は驚愕する。

そのスクールに子供を通わせるには、健太が月に家に入れてくれるお金の、実に約3倍のお金がかかる。それも、たったの1ヶ月でだ。

どう計算しても、足りない。健太が稼いできてくれるお金に自分の所得を合わせても、実沙子のような生活ができないということを思い知らされてしまったのだ。

彼女なら当たり前に娘に与えられる、超一流の教師陣による英語、音楽、アートなどの基礎教育、幼稚園受験対策コース…。

知らなくても良い世界を知ってしまった私は、最愛の娘にベストな環境を与えるためには一体どうすればよいのかと、頭を抱えるのだった。

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