美しいひと Vol.12

凡庸だった女が、急に美しく見えたのはナゼ?整形やエステ以外で、女が急に輝きだす理由

容姿にコンプレックスを抱く美咲麗華は、モテ男平塚勇太に恋をし、あっさり失恋したことである決意を抱く。

−“美しさ”を金で買い、人生を変えてやる−

社会人となり整形で“美人”の仲間入りを果たした麗華は、大学時代からの親友・大山恵美を通じてついに初恋の彼・平塚くんと再会

しかしその場で平塚くんに彼女がいることを知ってしまう。

傷心の麗華は自分に好意を寄せる俊介付き合い始めるが、平塚くんの彼女の裏切りを知った麗華は、たまらず彼を呼び出し真実を暴露

だがこの行動が俊介の逆鱗に触れる


どうしよう。どうしたらいい…?

一方的に切られてしまった電話を、私はしばし呆然と眺めた。カタカタと、小刻みに震える体が止まらない。

そして私は気がつけば、繰り返し同じことばかりを考えていた。

−嫌だ。俊介に、嫌われたくない−

彼の忠告を忘れ、軽率な行動をしたのは他ならぬ私自身だ。しかし自分勝手だと罵られようが、俊介が自分から離れていくのが怖かった。

いつの間に、自分の中でこんなにも俊介の存在が大きくなっていたなんて。

−とにかく、俊介に謝らなくちゃ。

私はふらふらする足で、どうにか平塚くんの元まで戻る。すると彼は私を一目見ただけで、何かを察知してくれたようだった。

「大丈夫?…そろそろ、出ようか」

何も聞かず優しく尋ねてくれた彼に、私は黙ったままこくりと頷く。

平塚くんの後ろに続きホテルの外へ出ると、けやき坂のイルミネーションがゆらゆらと揺れていた。

ふと、写真を撮り合うカップルが目に入り、胸がまたチクリと痛む。

「美咲さん」

別れ際、平塚くんはゆっくりと私に向き直った。

そして、彼はいつもどおりの、甘く、爽やかな笑顔でこう続けたのだ。

「心配してくれてありがとう。…美咲さんの気持ち、嬉しかったよ」

【美しいひと】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo