あなたは、わたしのもの Vol.17

豹変してしまった、私の夫。二度と現れないはずのストーカー女が、夫婦の心に残した深すぎる爪痕

突如僕の人生に現れた黒髪の美女・ひとみはその美貌と清楚な雰囲気に夢中になったけれど、実態は異常な女だった

ひとみによって巻き起こされるトラブルを解決してくれた、昔からの女友達・雅子と結婚したのにも関わらず、ずっとずっと僕の人生に付きまとってくる。

でも。

新居にも押しかけ狂った小包を送りつけてきたひとみのことを…

僕は何故だか見捨てることが出来ず、それが、さらに恐ろしい事態を引き起こしていた


ついに、妊娠中の雅子のもとに突然押し掛けたひとみ。それは警察沙汰へと発展し、ようやくひとみはユウキの前から姿を消した。

そしてその頃、ユウキと雅子の夫婦間にも変化が訪れていた。


雅子:「私は、本当に幸福な妊婦だ」。


「順調ですよ」

女医さんがモニターを見ながら、ニッコリと微笑む。そこには、お腹の中で元気に成長している赤ちゃんの姿が映し出されていた。

妊婦の私の体重は5キロほど増えてはいるが、幸運なことにそう重いつわりはない。このままいけば無事に安定期を迎えるだろう。精神的なストレスや引越しの疲れを物ともせずにたくましく育つ我が子が誇らしかった。

「女の子かなぁ…」

思わずそう呟く私を見て、先生は、さぁどうでしょうねぇ?と優しく対応する。

こんな場面を切り取ってみたら、誰もが私を幸福な妊婦だと思うだろう。

私の体には大きなトラブルがなく、順調に育つ我が子を確認できている。

これ以上を望んでは、バチがあたるほどの幸せだ。

世の中には、金銭的に困窮している母親や、様々な不安を抱えてお産に挑まなければならない母親も沢山いるというのに。

私はいつの間にか、意識的に自分よりも恵まれない人の立場に想いを馳せることで、自分の精神のバランスを保つようになっていった。

ごく小さい頃にもそうした時期があったことを、思い出しながら。

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