今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.18

ブランドを知ったかぶりしてるけど、シャンパンの違いって何?いまさら聞けないシャンパンの基礎知識

柳「ボランジェはテタンジェとは真逆のパワフル系。メゾンのお膝元がピノ・ノワールの名産地として名高いアイ村だし、ワインの醸造に木樽も使ったりして、ボディのしっかりしたシャンパンを造ってるよ。

だから、テコンドウ部みたいな体育会系の女子やお酒好きにこそふさわしい。」

――モエ・エ・シャンドンはどちら?

柳「モエ・エ・シャンドンはどっちにも属さない中道派。シャンパンが黒ブドウのピノ・ノワールとムニエ、それに白ブドウのシャルドネをブレンドして造られることは、クラリンも知ってるよね。

このメゾンでは、これら3品種をほぼ等分にブレンドすることによって、バランスの優れたシャンパンに仕上げているんだ。親しみやすく寛容な味わいの「モエアンペリアル」は、まさにエバーグリーンな存在といえるね。」

――たしかにいつでもどこでも安心のブランドですね。

荘厳華麗なクリュッグはエディション番号を覚えよ


柳「うん、そのとおり。フランスのワイン産地でも最北に位置するシャンパーニュ地方は、年ごとのブドウの出来にバラツキが大きい。

だから、単一収穫年ではなく、複数の年のワインをブレンドして品質を一定に保つと同時に、メゾンのキャラクターを打ち出すノンヴィンテージを造るわけ。ところでクラリンはクリュッグって知ってる?」

――もちろん。自分では買えないので、いつも港区オジサンのご相伴にあずかるだけですけど(笑)。

柳「そのクリュッグのフラッグシップがヴィンテージ表記のない「グランド・キュヴェ」だ。

収穫年による、ブドウの出来のバラツキを補正する消極的な意味のブレンドではなく、最高の品質のシャンパンを造るというポジティヴな発想から、いろいろな年、いろいろな村のワインをブレンドしているんだ。

ブレンドされる原酒の数は200を超えることもあり、交響曲のように荘厳華麗なシャンパンが出来上がる。」

――この166という番号は?


柳「よくぞ聞いてくれました。これはエディション番号といって、創業者のヨーゼフ・クリュッグが最初に創り上げたグランド・キュヴェを、その後再現し続けた回数。最新が166だ。

今度港区おじさんに飲ませてもらう時には、「166だけ、まだ飲めていないの。是非とも飲みたいわ♡」って言ってみな。」

――えぇ! かっこいいけど、すっごく生意気な女にも見られそう……。

たとえば、こんな1本
「クリュッグ グランド・キュヴェ エディション 166」

クリュッグは1843年、ランスに創立したメゾン。創業者ヨーゼフ・クリュッグの教えに倣い、天候に左右されることなく、毎年最高を目指したシャンパンがグランド・キュヴェだ。エディション番号は、創業者の夢を再現した回数である。

¥29,000(税抜)/MHD モエ ヘネシーディアジオ株式会社 TEL:03-5217-9736


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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この記事へのコメント

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No Name
テコンドーみたいな体育会系女子に笑いました。ボランジェのイメージが変わりました。
2018/11/11 07:505返信2件
No Name
すごく参考になりました。シャンパン飲むときの豆知識になります。
2018/11/11 07:493
No Name
私はローランペリエが好きです。でも最近あんまり見かけなくて悲しい😢
2018/11/11 07:542
もっと見る ( 8 件 )

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