SPECIAL TALK Vol.49

~コンピュータから生物学へ。自分の出番を見極めたから、ここまでこられた~

金丸恭文氏 フューチャー株式会社 代表取締役会長兼社長

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。神戸大学工学部卒業。1989年起業、代表取締役就任。規制改革推進会議議長代理、未来投資会議構成員、経済同友会副代表幹事、NIRA代表理事を務める。

〝大手術〞を乗り切るために、自分の価値を最大化すべし

金丸:最後に、冨田さんから若い人にメッセージをいただけないでしょうか?

冨田:私は、日本がいずれ経済破たんすることは避けられないと考えています。赤字国債をどんどん発行し、累積赤字と利子がかさむ一方という日本の現状は、今の大人たちの生活を維持するために、子や孫のクレジットカードを勝手に使っているようなものです。でも破たんというのはあくまで経済破たんであって、日本が破滅するわけではありません。

金丸:というのは、どういうことでしょう?

冨田:過去に多くの大企業や国が、破たん後に大鉈を振るって復活しました。要するに、破たんとは、健康になるための〝大手術〞のことです。一時的に血は出るし、痛いし、しばらく動けないけれど、それを乗り越えれば手術前より確実に良くなる。日本は破たん後にもっといい国になる、と信じています。

金丸:日本は無駄の多い社会ですから、高コスト体質を見直す、いい契機になりますね。

冨田:そうですね。実際にどのような〝手術〞が行われるかはわかりませんが、ひとつ言えるのは、破たんすると不必要なものは排除され、本当に必要なものや人は必ず必要とされる。むしろもっと必要とされる社会になるでしょうね。

金丸:では、本当に必要な人になるには、何をすればいいでしょうか?

冨田:まずは、世の中にとって自分の価値とは何か、どうすればその価値を最大化できるか、を考えるべきです。自分の価値を最大化するには、自分が得意なことを生かすのが一番いいと思います。

金丸:そのためには、自分は何が好きなのか、何が得意なのかを、できるだけ若いうちに見極めないといけませんね。

冨田:特に学生時代は、ノーリスクでチャレンジできます。若い人には自分の得意なことを徹底的にやってみてほしいです。

金丸:冨田さん自身は30歳を過ぎてからも、ロマンを感じた分野で活躍したいと、研鑽することを惜しみませんでした。それが今のIABを作り、多くの独創的な研究者を輩出していることにつながっています。若者たちにも冨田さんのように挑戦を恐れず、ロマンを追求してほしいですね。今日は本当にありがとうございました。

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