あなたは、わたしのもの Vol.13

深夜2時、ホテルの一室で行われた秘密の儀式。男を手に入れるために境界線を超えた女の暴走

女の人の価値は、美しさだけではない。

どれほど純粋に自分を愛してくれるかだ…そんな風に思っていました。

でも、あの女のおかげで僕はやっと気がついたんです。

異常なほどの愛情が、女の人を、そして関わる人間の人生すらを壊してしまうってこと、

純粋な愛情は行き過ぎると執着に変わり、執着は憎しみへと変貌を遂げるってことを…

少し長いけれど、どうか僕の話を、聞いてください―

堂島ユウキの目の前に突如現れた黒髪の美女・ひとみ。出会ったその日に一夜を共にするが、彼女の異常性に気がつき、女友達の雅子の力を借りてついにひとみと決別、ユウキは雅子と結婚した。

大学時代からの想いを成就させた雅子は、妊娠して幸せの絶頂にいるが、ある日新居にひとみからの謎の小包が届く。

中身を見たユウキは、ひとみが滞在するホテルの部屋に駆け付けるのだった。


彼女は、私の人生のすべて


ひとみが生まれたのは、とてもとても寒い日でした。

けれど、破水して病院へ行くまでの道のりに見た月が、素晴らしく綺麗だった。

あれは、満月だったんじゃないかしら。

満月の日って不思議と、産気づく妊婦さんが多いんですって。看護師さんがそんな風に教えてくれたのを、しっかりと覚えています。

その証拠に、その日の分娩室はお産が入れ替わり立ち替わりで大忙し。大学病院で出産した私は、同日に出産をしたお母さんがあまりにも多いことに驚き、やはり月と女性の体の不思議な関係を感じずにはいられなかったんです。

初めてのお産で分からないことの連続だったけれど…あの子はね。ひとみは、本当にどの赤ちゃんよりも可愛らしく、私の自慢でした。

産まれたばかりなのに、くっきりとした大きな瞳。

小さくて弱々しい体で、こちらにすがってくる愛おしい姿を見て、私はある覚悟を決めました。

何があっても、自分の命を捧げてでもこの子を守るんだって。

この子の為なら、例え罪を犯しても構わないって。

それが間違っていたとは思えません。

だって母親って、そういうものでしょう。

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