港区女子の終点 Vol.1

港区女子の終点:20代で東京の贅を知り尽くした女。“甘い蜜”を吸いすぎた後、30歳で行きついた先とは

港区女子。

それは港区に夜な夜な集う、得体の知れない女性たち。

煌びやかで豪勢な生活を送る彼女たちだが、いつか“強制的に”この街を卒業する時がやってくる。

果たして、その後の人生は、幸せなのだろうか?

甘い蜜を存分に吸った、港区女子の行きつく先とは・・・?


西麻布交差点に立つ度に、胸がざわつくのは何故だろうか。

上京してから10年経ち、もう心は東京にある。それなのに、ふと虚しくて不安になる気持ちを、未だに私は抱えている。



「美咲、Happy Birthday~!!!」

『サイタブリア バー』に、歓喜の声が湧き上がる。扉を開けると、たくさんのバルーンで装飾された部屋に、いつもの仲間。そして色鮮やかなお花が、いたるところに飾られてあった。

「え〜!嬉しい♡ありがとう!!」

豪勢な誕生会の中心で、私はとびっきりの笑顔を浮かべる。東京で頑張ってきた自分を、改めて褒めてあげたくなった。

ここにいるのは、東京でいうところの“上澄み”の人たちだ。皆、財力と権力がある。

女子はいわゆる“キラキラ”女子たちばかりで、中にはアナウンサーもいればタレントの卵もいる。一般のOLであっても、大概が読者モデルをかじっているような子たちだ。

男性陣もほとんどが経営者で、世間一般の婚活女子が狙う「年収1,000万越え男子」なんて、足元にも及ばないような人物ばかりだ。

「美咲、改めておめでとう」

顔写真入りの大きなケーキが運ばれてくるのと同時に、オレンジ色や水色の、数々のハイブランドの紙袋が私の元に集まる。

「みんなありがとう。“もう”26歳になっちゃったよ」

私は、こんな時間が永遠に続くと思っていた。

リッチな彼氏に、東京の“楽しい”を凝縮したキラキラした生活。

でも人生はそんなに甘くないなんて、誰が想像できたのだろうか。

この記事へのコメント

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No Name
「目の前の仕事があることに感謝し、全力で取り組む」って当たり前だけもすごくすてき。
贅沢な生活レベルを落とすってすごく大変なのにそこで卑屈にならずに全力でいられるその人間性だけで十分幸せになる能力あると思う
2018/08/02 05:2499+
No Name
「でも必死に自分の足で頑張った先にしか見ることのできない、特別な世界がある。
そしてその世界を知っている人たちは、優しくて、強い。」
朝から元気貰いました!ほんとこれ。
2018/08/02 05:3699+返信4件
No Name
これは1話読み切りですかね?
マサルさんと上手くいくといいですね♡美咲さん!!
2018/08/02 05:3795
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