今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.12

狙ってる女子が酒豪!そんな彼女とデートでいい雰囲気になるには、どうすればいい?

――ほ〜、たとえば?

柳「アルゼンチンのマルベックとかね。日中は暑く、ブドウがよく熟すのに、標高が1,000メートル近いから夜間は気温が下がって酸が保たれる。

結果的にアルコールは高くても、フレッシュさが感じられるワインに仕上がるって寸法。マルベックという品種はタンニンが柔らかく、口当たりもよいから、グイグイいっちゃうと思うよ。」

――それならさすがの彼女も早くいい気分になれそうですね。ところで柳家では、奥様より前に柳さんが潰れちゃうことってあるんですか?

柳「家で酩酊するほど飲むことはないね。一度、外で飲み過ぎた時に店の階段を踏み外して、前歯を折ったことがある。それ以来、飲む量には気をつけてるよ。」

――歯を折った? 柳さんでもそんな失態をされることがあるんですね! ではですね、酒豪の彼女が、心惹かれる男性と飲む機会を得た場合、相手を先に潰さない手立てって何かありますか?


柳「また難問だな。今度は女性がアルコールに弱い男性を飲ませ過ぎない方法か。うん、別々のワインをグラスで注文したらいいんじゃないの?

男性にはアルコールが低めの、そうね、ボージョレとか飲んでもらって、自分はさっきのマルベックみたいなワインを楽しむ。まあ、グラスで開いてるワインのレパートリーは限られるから、そう簡単にはいかないけど、店の人と相談して、うまくチョイスしてもらうといい。

あとはソムリエが注がずにワインがテーブルの上にポンと置かれるようなカジュアルな店なら、ボトルを自分のほうにたぐり寄せ、ワインを注ぐ主導権を握る。男性のグラスが空になってもすぐには注がないとかね。」

――メモメモ。ソムリエさんが注ぐ店なら、こっそり耳打ちしておけばいいんですよね。「あの人はアルコールに弱いので、注ぐ量を加減してください」って。

柳「それもいいと思う。相手のプライドを傷つけずに、お互い気持ちよく、ほどほどに酔えれば大成功。おや、携帯が鳴ってるよ。」

――はい、もしもし。え〜、ウソー!

柳「どうしたの?」

――彼女からの電話ですけど、昨日の彼と仲直りしたから、今晩の約束はリスケさせてくれって。

柳「それじゃあ、今晩は寂しい君に付き合ってあげるとするか。」

酒豪な彼女とのデートなら、こんな1本!
「2013プレンタ・グラン・コルテ」

アルゼンチンのメンドーサにあり、プレンタ兄弟によって運営されているワイナリー。このワインはルハン・デ・クージョの標高980メートルに位置するブドウ畑で収穫されたマルベックを主体に、カベルネやメルローをブレンド。リッチかつフレッシュ。

¥5,584/ベリー・ブラザーズ&ラッド TEL:03-3518-6730


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える

東カレアプリなら、電子書籍で読み放題!

十番が使えてこそ、大人です。

プレミアムサービスなら、最新号も過去号(約10年分)も、電子書籍で読み放題!
レストラン検索機能もついて超便利!
アプリでのご利用はこちらから
※最新版のアプリをダウンロードしてください。

紙版をお求めの方はこちらから

※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
田舎者
お互い敬意を払いましょう。女性も自分基準だけでは行かんよ。男潰して帰っちゃうのはアカンやろ。楽しく飲まないと。
2018/05/19 08:0910返信1件
No Name
私も酒豪で、似たような経験あり笑。ワイン大好きなので、このコラム毎回楽しみにしております!毎週でもやって頂きたいです!
2018/05/19 12:020
もっと見る ( 3 件 )

【今さら聞けないワインの基礎知識】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo