パーフェクト・カップル Vol.10

「隼人くんのせいだよ?」人気アナウンサーをハメたあざとい元カノの攻撃と、悪意の連鎖

誰もがインターネットやSNSで監視され、さらされてしまうこの時代。

特に有名人たちは、憧れの眼差しで注目される代わりに、些細な失敗でバッシングされ、その立場をほんの一瞬で失うこともある。

世間から「パーフェクトカップル」と呼ばれる隼人と怜子は、一挙一動が話題になり「理想の夫婦」ランキングの常連として幸せに暮らしていた。だが結婚6年目、人気アナウンサーの夫・隼人が女の子と週刊誌に撮られてしまう

その代償として2週間の謹慎処分を受けた夫・隼人に、大手芸能事務所の敏腕マネージャーの香川が引き抜きの声をかけたが、隼人はその誘いを断った

「世間の目」に囚われ、「理想の夫婦」を演じ続ける「偽りのパーフェクトカップル」の行く末とは?


“天然トラブルメーカー・さやか”の言い分:私は悪くない。隼人くんのせいだよ。


「さやか、ごめんな。撮られちゃった後、心配してたんだけど、ほら俺、さやかの連絡先も知らないしさ。」

隼人君は心配そうにそう言ったけど、私は何と答えればいいのかわからず、うつむいていた顔を上げるのが精一杯だった。

笹崎がバラシちゃったから皆さんにも説明しますけど、彼女…あ、橘さやかさんとは大学時代の後輩で。彼女のブランドの展示会に行った後、笹崎と3人で飲みに行った帰りに撮られちゃって。」

―隼人くん、目も合わせてくれない。

「彼女も既婚者なのに、迷惑かけてしまったんです。これ以上困らせたくないので、皆さんは誤解しないでくださいね。」

確かにあの日、撮られた日、隼人君からは「もう2度と会いたくない」と言われていた。

―だから、私、ちゃんと…隼人くんがここにいないか、笹崎さんに確認したよ。そしたら笹崎さんが、大丈夫ですよ、って…。

そう伝えたかったのに、隼人くんは「じゃ、笹崎のスタイリングを頼みます」と他人行儀に言って私に背中を向けた。

私が笹崎さんに話しかけられている間に、隼人くんはどんどん遠ざかってしまう。

―少しだけでも、話したい。

私から5mほど離れた場所で、スタッフと談笑を始めた隼人くんに、何度か視線を送ってみる。気を引きたくて笹崎さんの話に大げさな笑い声を立ててみたりもした。

だけど隼人くんは全く私を見ない。まるで私の存在など見えていないようなその態度に、あの日のことを思い出す。


―私だって、あんなことするつもりなかったのに。隼人くんのせいだよ。

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