裏切られた妻たち Vol.10

「女の一番いい時を、無駄にして良いの?」夫の若い浮気相手を黙らせた、40歳女のプライド

一見、何の問題もなく幸せそうに見える仲良し夫婦。

けれども彼らの中には、さまざまな問題を抱えていることが多いのだ。

仲良し夫婦だと思っていた北岡あゆみ(32歳)は、あるメールをきっかけに、夫である樹が浮気をしていると確信する。

問い詰めてもはぐらかす樹に耐えられなくなったあゆみは、探偵事務所にお願いし、浮気の事実と、相手の正体を知ることとなった。

さらに友人の紀子も夫が若い女性と浮気していると知り、ショックを受ける。


—気づかないフリをして調査を続けるか、それとも今ある証拠で樹と話し合うか…。

探偵の星川からの報告を受け、あゆみはひたすら今後のことを考え続けていた。

浮気の証拠を探偵が掴んでから、すでに一週間が過ぎている。樹には「実家の犬の具合が悪い」と嘘をついてホテル住まいをしているが、そろそろ限界だろう。

現状の調査結果だけでは「女性の家に行ってハグをした」ということしか分かっておらず、何とでも言い訳ができる。証拠能力としては、まだまだ弱いのだ。

だからといってきちんとした証拠を押さえるまで、知らないフリをして過ごすのは辛すぎた。

—そもそも、どこまでの証拠が必要なの…?

初めは、樹ときちんと話し合うための材料として、証拠が必要だと思っていた。しかし樹の本気な様子が分かってからは、最悪の事態…離婚も視野に入れなければならないのかもしれない、と考え始めたのだ。

自分たちには幸か不幸か、まだ子供がいない。離婚を決意したところで親権争いはないので、それほど拗れることはないだろう。

もちろん今後の調査次第で相手への慰謝料請求も考えられるのだが、今のところどうでも良かった。制裁したいという気持ちはあるが、弁護士に依頼して争うまでの気力は残っていない。

—やっぱり一度、樹と話し合おう。また言い逃れをしたら…今度こそ許さない。

そう結論づけて、ダブルのベッドにごろんと横たわり、真っ白な天井を見上げた。

白と黒を基調にしたいささかシンプル過ぎる部屋は、日に日にあゆみの孤独を色濃くしていくのだった。

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