天現寺ウォーズ Vol.10

運命の慶應幼稚舎合格発表。6歳で得る“16年モノ”エンブレム争奪戦の、意外過ぎる結末

東京の勝ち組女である“港区妻”には階級がある。

頂点に君臨するネイティブセレブ港区妻たちの闘い、それは慶應幼稚舎受験である。地方出身の桜井あかりも、ひょんなことから幼稚舎受験に挑むことに。しかしそこには、数々の試練が待っていた。

旬の成長を妬んだ幼稚園のママ友から中傷を受けるも、玲奈と百合と話し、自分を取り戻したあかり

受験本番を数日後に控え、玲奈の娘莉奈が、幼稚舎試験を受けられなかったことを知ったあかりは、玲奈の気持ちを考え、涙を流す。そしていよいよ、旬の受験本番の日―。


時計の針が進むのが、やけに遅く感じられる。

旬が幼稚舎の試験会場に入室してから30分が経った。あかりは保護者のために用意された教室の窓から、外を見つめる。都心とは思えない広い校庭で、抜けるような初冬の青空をバックに、大木の梢が揺れていた。

念のため持ってきた、願書のコピーに目を落とす。当初は意外に思ったが、幼稚舎の願書には親の出身校や職業を書く欄はなく、面接もない。

一見公平なようだが、あかりのように「ご挨拶」に行くルートさえない者にとってはそれも素直には喜べなかった。ここまで出自を明かせないとなると、全員がこの願書だけで判断されるとは到底思えないからだ。

慶應幼稚舎の生徒が、試験当日の成績が良かっただけの子で構成されるなど、あるはずがないのだ。

この願書を提出する前に、身上があきらかになっている受験生が大勢いるはずだと、あかりは思う。

しかし不思議なことに、今のあかりはそれも当然とさえ感じていた。

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