今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.10

過去10年で輸入量が約2倍に!スパークリングワイン市場で、一体何が起きている?

柳「一度出来上がったワインに糖分と酵母を加え、ボトルに詰めて密栓する。するとボトルの中で発酵が始まり、その際に生じた炭酸ガスがワインに封じ込まれるというわけさ。一本一本の作業なので手間がかかるし、大量のボトルを寝かせておく場所も必要になる。

しかしその一方、ほかの製法に比べて、泡がきめ細かく、持続時間も長いとされている。それからもう一点、ボトル内での発酵後に酵母は澱となって沈殿するけど、これが自己消化を起こしてアミノ酸を生み出すんだよ。」

――アミノ酸といえば旨みの元ですね。

柳「そのとおり。よくわかったね。」

――えっへん。これでも東カレの敏腕編集者ですよ。ところで、伝統的製法はシャンパンだけなんですか?

柳「敏腕かどうかは脇に置いといて、伝統的製法のスパークリングワインはほかにもあるよ。

フランスならクレマン・ダルザスやクレマン・ド・ブルゴーニュのように「クレマン」と名のつくスパークリングワインがそうだし、スペインの「カバ」やイタリアの「フランチャコルタ」も伝統的製法だね。」

――どれもシャンパンよりお手ごろ!


チリのスパークリングは対前年比1.5倍の躍進!


柳「伝統的製法というくらいだし、これは新しい手法ではない。だけど、シャンパンを始めとした泡ものが好きな人がそういったスパークリングワインの質の高さに更に注目するようになったのかもしれない。デイリーに飲める泡の選択肢はこんなに広いのかと。

だからか、ここ10年でスパークリングワイン市場は2倍近くまで膨れ上がってるんだ。スペイン、イタリアがコンスタントに伸びてるほか、スティルワイン同様に破竹の勢いなのがチリ。対前年比1.5倍でフランス、スペイン、イタリアに次ぐ第4位まで躍進してる。」

――チリのスパークリングワインも伝統的製法なんですか?

柳「いや、全部じゃないけど伝統的製法のものもある。2、3年前に登場したコノ・スルの「センティネラ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン」はおすすめ。熟成期間も長くて味わいに複雑味が備わり、今後の進化が楽しみな一本だな。」

――泡ものは伝統的製法が最高……と。

柳「君にも買える値段だから、自腹で確かめてごらん。」

試すべきはこの1本!
「コノスル センティネラ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン」

チャリンコラベルでお馴染み、チリのワイナリー『コノスル』が手がけた本格的スパークリングワイン。冷涼なカサブランカヴァレーのシャルドネを100%使用し、瓶内二次発酵。澱とともに2年以上の瓶内熟成を施している。ドザージュ6g/Lのキリッとした辛口。

¥2,800(税別)/スマイル TEL:03-6731-2400


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える

東カレアプリなら、電子書籍で読み放題!

週末デートに「浅草」という手があった!

プレミアムサービスなら、最新号も過去号(約10年分)も、電子書籍で読み放題!
レストラン検索機能もついて超便利!
アプリでのご利用はこちらから
※最新版のアプリをダウンロードしてください。

紙版をお求めの方はこちらから

※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

【今さら聞けないワインの基礎知識】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo