悪妻 Vol.12

悪妻:良妻の本音と策略。穏やかな幸せを享受する夫の、秘密の日課とは?

東京には、いろいろな妻達がいる。

良き妻であり、賢い母でもある良妻賢母。

夫に愛される術を心得た、愛され妻。

そして、あまり公には語られることのない、悪妻ー。

これは、期せずして「悪妻」を娶ってしまった男の物語である。

女性の美に並々ならぬ執着を持つ藤田は、若く美しい妻・絵里子結婚する。

だが、奔放すぎる妻との暮らしに限界を感じ、ついに離婚。そして、気の合う同僚女性・友里江と再婚した。


藤田友里江の独白


去年は一人、また一人と友人たちが結婚していった年でした。

最後の砦だと思っていた同じ部署の先輩ですら、結婚相談所で出会ったという男性とスピード婚を決めたので…さすがに焦りましたよね。気がつくと、部署内で独身なのは自分だけになってしまったんです。

33歳。岐阜県から大学進学と同時に東京に出てきて、地道な努力が実り、無事大手と呼ばれる企業に入社することができました。

コツコツ真面目に生きてきた甲斐あって、都会でそれなりの生活をするのに困ったことはありません。

なんでも自分の裁量で自由にできる生活はすごく新鮮で毎日があっというまに過ぎて、気がつけば33歳になっていました。

すると私は段々、独りで暮らす寂しさを持て余すようになったんです。

フルタイムで仕事をし続ける辛さも感じ始め婚活をしようと街へ出ても、こちらがいいな、と思う男性は私に見向きもしません。

華やかで社交的でとびきりの美人か、不器量でも無垢で若い女の子ばかりが、次々に「見初められて」いきました。

そのどちらでもない私は、東京という大都会で、毎日自分の自尊心をすり減らすようにして暮らしていたんです。

だから…外での婚活に疲れ、今度は社内で結婚相手になり得るような素敵な人がいないかを改めて探しました。

そして目をつけたのが、藤田さんです。

藤田直樹さん。

39歳。中肉中背で、特に印象的な顔立ちでもないけれど、清潔感のある人でした。

私は、藤田さんのことを徹底的に観察することに決めたのです。

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