2017.11.16
今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.7――当然、世界中の国々で日本みたいにボジョレー・ヌーヴォーの解禁を盛大にお祝いしてるんでしょう?
柳「それがちょっと違うんだな。じつはボジョレー・ヌーヴォーの全生産量の半分が日本に輸入されている。」
――えっ、半分も!
柳「日本で最初にボジョレー・ヌーヴォーの大ブームが起きたのは、バブル真っ只中の1988年。日付変更線の関係から日本が本国フランスよりも先にボジョレー・ヌーヴォーの飲める国だったし、初がつおや初なすなど初物好きという国民性も手伝って俄かにブームが起きた。」
――わかります。私も初ポルチーニとか初モンドールとか目がないので。
柳「いいもの食べてるね、モリリン。それはともかく、当時、専門誌の駆け出し記者だった僕は、成田空港の保税倉庫まで取材に行った。
そこではパートのおばちゃんが「Par Avion」(航空便)と書かれたエールフランスのステッカーをボトルにせっせと貼ってたな。一番ステータスが高かったのはエアフラで、二番目がJALカーゴだった。」
――たしかにLCCのステッカーが貼られたボジョレー・ヌーヴォーだとちょっと興ざめかも。
今年のヌーヴォーは量は少なめ、品質は抜群
柳「その頃はまだピーチとか存在してないけどね。
今は解禁日の0時以前に抜栓さえしなければよいことになってるけど、当時は保税倉庫を出るのが解禁日の0時以降と決められていたから、ボジョレー・ヌーヴォーを積んだトラックが保税倉庫のゲート前に集まり、ラジオの時報が0時を打つと同時に飛び出していった。
中には世界一早くボジョレー・ヌーヴォーを飲むため、成田に集まる強者もいたくらい。懐かしいなあ。」
――いかにもバブリーな話ですね。ところで今年のできはいかが?
柳「春の遅霜や夏の雹害で量は少ないけれど、地元では偉大とされる2009年や2015年に匹敵、あるいはそれ以上と噂する人もいる。」
――きゃ〜、気になって解禁日まで仕事が手につきませ〜ん。
柳「編集長がまたにらんでるよ。」
家で飲むなら、こんな1本がおすすめ!
「ボジョレー ヌーヴォー ジョルジュ デュブッフ」
ボジョレー ヌーヴォーの立役者でボジョレーの帝王と呼ばれる、ジョルジュデュブッフのヌーヴォーはテッパン中のテッパン。巧妙なアッサンブラージュによって、毎年、バランスのとれたボジョレー ヌーヴォーが造られる。今年はとくに期待大。
オープン価格/サントリー TEL:0120-139-380
教えてくれたのは、柳 忠之さん
■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える
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