東京シンデレラ Vol.6

東京でちょっとキラキラな生活してるだけ。自分が何者でもないと知り始めた25歳

私たちは、東京にいる限り夢を見ている。

貧しい少女にガラスの靴を差し出す王子様が現れたように、いつかは幸せになれると。

だが必ず、自分が何者でもないと気づかされる時が来る。

神戸から上京し、港区女子へと変貌を遂げる真理亜と、その生き様を見つめる彩乃。

彼女たちが描く理想像は、現実なのか、それとも幻なのか...

真理亜の育ちの良さに嫉妬しながらも、東京でもがきながら生きる彩乃だったが...


気がつけば、季節はいつの間にか冬になっていた。

私は、冬が嫌いだ。

人肌が無条件に恋しくなり、一人で過ごすには寂し過ぎる季節だから。

そしてクリスマスに向けてライトアップが始まった街並みも、時として何故か虚しさを助長する時がある。

キラキラ輝く東京の街は、一人で見るよりも誰かと一緒に見る方が、美しく輝くに決まっている。

「もうすぐ、25 歳かぁ...」

社会人3年目になり、いつの間にか私は25歳になろうとしていた。

東京において、最も持て囃される年齢は24歳から26歳だと私は信じている。

ハタチそこそこの無知な時期を過ぎ、酸いも甘いも分かってきた。でも、まだアラサーなどにはない初々しさも残っている、ちょうど良い塩梅の年齢。

だからこそ、尚更私は、焦っていた。

もうそろそろ、若さでは勝負できなくなる。今のうちに結婚相手を見つけておかないと、永遠に幸せの階段は登れない。そんな目に見えない焦りと恐怖を抱いていた。


「25歳って、色んな意味で勝負の歳だよね。」


六本木のけやき坂のイルミネーションを見ながら、隣にいる真理亜がそっと呟いた一言。

この言葉が、私の耳には未だに残っている。

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