カマトト狂騒曲 Vol.1

カマトト狂騒曲:その女の一挙一動、天然なのか、計算なのか...!?清純派女子アナたちの舞台裏

「で、花凛ちゃんはいつフリーになるの?」

峯岸が、冗談交じりで聞いている。皆女子アナの給料事情が気になるらしい。そんな時に返す言葉は決まっていた。

「そ、そんな、フリーだなんてっ……。会社にお世話になっていますし、女子アナだって所詮はただの会社員ですからぁ…。」

あくまでも会社員。この響きに、なぜか人は共鳴し、好感を持つのだ。

「お金だって全然ないですし、世間が言うほど、なんにも知らないんです……。ランチはいつも社食だし、富士そばとか好きでしょっちゅう食べてる感じですよぉ~~」

―昨日局長にお昼おごってもらうとき、「だったら十番の更科行きたい~」って言ってたクセに…。

私は心の中でまた、突っ込みを入れた。

たしかにタレントさん達と比較すると驚くほど低いけれども、一般のサラリーマンに比べると給料は高く、金銭感覚も普通とは言い難い。

特に花凛の場合、年収2,000万は下らないだろう。しかし、花凛は決してそのことを他言しておらず、同期の私でさえ彼女の年収を知らない。

「花凛ちゃんって、いい子だね。」

峯岸が鼻の下を伸ばしながら花凛を見つめていた。




翌日、早朝5時からの生放送があった。たとえどんなに深夜まで飲んだとしても、女子アナの朝は早いのだ。

「それでは本番参りまーす!はい、ゴー、ヨン、サン、(2,1 ...)」

ADさんの声がスタジオ内に響き渡ると一瞬にして緊張感が高まり、そのまま本番を迎える。

「皆様、おはようございます。朝から元気いっぱい、新人アナの木崎翔子です!」

後輩である木崎翔子の笑顔を、私はモニター越しに凝視していた。

若いアナウンサー達は希望に満ちた目をしており、それは新人特有のフレッシュさとなってお茶の間の人気を集める。

しかし、彼女にはそれに加えて何かを感じる。私なんかとは比べ物にならない、花凛に似た何かを。

—木崎翔子が、花凛の後釜になるだろう。

翔子の入社当時から、局内ではもっぱらそう言われていた。女子アナの寿命は短い。早めに、次のエースアナを育てておかなければならないのだ。

昨日の食事会で、皆の視線を独り占めする花凛を思い出す。私はこうしてまた、後輩にさえ追い抜かれていくのだ。

そんな時、あることを思い出した。

「翔子ちゃん、再来週空いてる?花凛と食事会に行くんだけど、翔子ちゃんも来ないかと思って...」

「花凛先輩もいるんですかぁ?もちろんです♡」

私は最強のカマトト女子・花凛と翔子の戦いを、この目で見てみたいと思ったのだ。


▶NEXT:11月23日木曜更新予定
最強のカマトト女子・花凛VS後輩の翔子。笑顔で足を引っ張り合う女たちの本性

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

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No Name
こういう女性に引っかかる男性は、有名経営者であったとしても、学生時代に教室の片隅にいた社会人デビュータイプ。
2017/11/16 06:0386
No Name
局アナというより◯ントフォース所属のかほりがするw
2017/11/16 06:0984
No Name
女子アナきましたか。最近ネットで騒動もあった大学のミスコンもいつか扱って欲しいなー。自己顕示欲高過ぎる女の話、嫌いじゃないです笑
2017/11/16 07:1462返信3件
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