年内婚約 2017 Vol.13

明日は我が身...。30歳でハイスペックな恋人を失う未来を恐れた女が犯した、致命的なミス

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。

麻里は本気の婚活を決意し、とうとう運命の男・優樹に出会う。彼には別れられない恋人がおり、修羅場の末に奪還を果たしたが、結婚に前向きでないこと判明してしまった。


「俺、やたらと結婚したがる女の子って、物凄く苦手なんだ」

優樹の言葉が、刃物のように麻里の胸をえぐる。

「...ど、どうして?優樹くんは、結婚願望ないの...?」

「そういうワケじゃないけど...“結婚したい”って必死になる女の子って、何か怖いんだよね...」

優樹は嫌な記憶を思い出したのか、身震いのような仕草を見せる。

ーこ、こわい...?

「ちなみに...元カノさんは、いくつだったの?」

「同い年だよ。もうすぐ30歳になるから責任取れって言われ続けて、本当怖かったなぁ...」

ーさ、さんじゅっさい....。

麻里は思わず「ひぃ」と悲鳴をあげそうになるのを、笑顔のまま堪える。

電話口でしか対面したことのない、攻撃的な優樹の元カノ

あのときは、世の中には残念な女がいるものだと心の中でほくそ笑んでいたが、今は同情心が湧いてくる。

優樹のような好青年と3年も付き合ったのに結婚してもらえず、30歳を目前に捨てたられた女。なりふり構わず発狂してしまうのも仕方がない。

「だから麻里ちゃんみたいな優しい女の子は、本当に癒されるよ...」

優樹は優しく微笑み、麻里をぎゅっと抱き寄せた。

「ね...ねぇ、じゃあ優樹くんは、私が結婚したいって言ったら...?」

「......え?」

つい核心に触れてしまうと、彼は抱きしめる腕をピクッと震わせ、気まずそうな顔で黙り込んでしまった。

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