彼女になれて、妻になれない Vol.5

“元彼”と“旦那”が同じ男。彼と付き合った者にしか分からぬ話で盛り上がる、元カノと妻

元彼の結婚。

適齢期の女性にとって、これほどまでに打ちのめされる出来事があるだろうか。

元彼がエリートだったら、なおさらだ。

どうして私じゃなかったの。私になくて、彼女にあるものって何?

東京で華やかな生活を送るエリートたちが、妻を選んだ理由、元カノと結婚しなかった理由を探ってみる。

先週、外交官の元彼・康作に本心を見抜かれていた奈緒。さて、今回は・・・?


ー結婚式って、やっぱり素敵よねぇ。

奈緒は、大学時代に所属していたサークルの先輩を祝うため、結婚パーティーに参加していた。

「しばしご歓談ください」と司会が言ったのを合図に、奈緒はさっそく新郎友人たちの左手薬指に目をやった。

新郎は、外資コンサルから総合商社に転職した男だ。その友人となると巷の結婚紹介所なんかよりよっぽど、ハイクラスな男性が揃っている。

ーざっと見たところ、かなり指輪率低いじゃない。

彼らに話しかけるタイミングを見計らっていると、聞き覚えのある声に呼び止められた。

「奈緒ちゃん・・・?お久しぶりね」

奈緒が振り向くと、サークルの2つ上の先輩・玲子が立っていた。

黒いレースのワンピースに真っ赤な口紅、髪の毛をピシッとまとめた玲子は、「私はCA」という強いオーラを放っており、奈緒は萎縮してしまう。

CAは、独特のメイクとヘアスタイルを崩さず、現役であろうとOGであろうと、一目でCAとわかる「私はCA」オーラの女性が多い気がする。

「わあ、玲子さんお久しぶりです。あれ?今日は、宏樹さんと一緒じゃないんですか?」

奈緒が聞くと、玲子の顔が強張り、妙な空気が流れた。

「ええ、そうなの。詳しい話はちょっと・・・。積もる話もあるし、パーティーの後、お茶でもどうかしら?」

「え、この後ですか?」

奈緒はすぐに返事ができなかった。

この後運命の出会いがあるかもしれないのに、二次会を玲子さんに先約されるなんてついてない。

ーでも、NOとは言えないよなぁ。

一瞬考えた後、「私も玲子さんとお話したいのでぜひ!」と、渋々ながら笑顔で答えた。

玲子は、奈緒が昔付き合っていた男・宏樹の妻である。

元彼である宏樹と玲子さんの結婚生活に、少しだけ興味もあった。

【彼女になれて、妻になれない】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo